第1話 定年退職したら、ヒマという怪物がやってきた
3年前、27年間勤めた出版社を定年退職した。
長年の会社員生活からようやく解放されたのである。
朝から晩まで仕事に追いかけられることもない。締め切りに追われることもない。上司や同僚に気を使う必要もない・・・・・・。
「これからは自由だ!」
退職した当初は、そんなことを考えていた。
ところが、人生というものは、なかなかこちらの思いどおりにはいかない。
退職後、知人の社会保険労務士事務所で1年間、事務仕事をさせていただいた。その契約期間が終わると、今度はさいたま新都心のビル警備の仕事に就いた。
しかし、そこでは職場の人間関係に嫌気がさし、わずか4カ月で退職。
そして現在、私は無職である。
年齢は68歳。
世間的には、そろそろ悠々自適の生活を楽しんでいてもおかしくない年齢だ。
ところが、悠々自適というのは、いったい何をすればいいのだろう。
悠々としているのはたしかかだ。
適しているかどうかは、よくわからない。
なにしろ、時間がある。
あり余るほどある。
しかし朝起きても、仕事がない。昼になっても、仕事がない。夕方になっても、やっぱり仕事がない。
会社員時代なら、仕事が山ほどあって「もう勘弁してくれ」と思っていた。
それが今では、仕事のほうが私を勘弁してくれている。
いや、勘弁どころか、すっかり縁を切られてしまった。
毎日が日曜日。
聞こえはいい。
しかし、毎日が日曜日ということは、月曜日も火曜日も水曜日も、全部日曜日みたいなものなのである。
こうなると、ありがたみも薄れてくる。
日曜日が楽しみだった会社員時代が、なんだか遠い昔のことのようだ。
そこで、このブログを始めることにした。
題して、「定年退職者の暇つぶしブログ」。
タイトルからして、あまり景気がよくないし、ワクワク感もない。
しかし、実態に忠実なのだから仕方がない。
これから、私が定年後の毎日をどうやって過ごしているのか、あれこれ書いていこうと思う。
ただし、最初にお断りしておく。
私の日常には、ハラハラドキドキするような事件は、ほとんど起こらない。
突然、大金持ちになる予定もないし、宝くじが当たる予定もない。宇宙人が訪ねてくる予定もない。
そもそも、宇宙人が訪ねてきたところで、私は午前2時に起きているから、向こうの生活時間と合うかどうかもわからない。
基本的には、運動をして、散歩をして、神社やお寺に行き、食事をして、また寝る。
そんな毎日である。
読者の皆さんを興奮させる自信はまったくない。
しかし、定年後に時間を持て余す予定の方、すでに持て余している方には、何かの参考になるかもしれない。
ならないかもしれない。
まあ、そこは読者の判断にお任せする。
少なくとも、私自身の暇つぶしにはなる。
何しろ、時間だけはたっぷりあるのだから。