自分が定年して、つくづく感じるのは、自分の日常の生活に、心が弾む、ウキウキとした気分になるような楽しみがあまりなくなってしまっている、ということである。もうこの年になると、人生の主なイベント(行事)はほぼやり終えてしまったし、仕事も終わっているので、仕事上でやるべきことや楽しいこともないわけである。つまり、暇で孤独なのだ。

 

極端なことを言うと、あと自分に残された重大イベントというと、やはりそれは、“死”であろう。しかしそれは楽しくもないし、待ち望むというものでもない。まったく逆である。

 

人はやはり、目の前の、どんな小さな喜びや楽しみでも、それを待ちわびながら日常を生きていくのが幸せであり、それがない生活は、なんとも無味乾燥で耐えがたいものである。

 

どんなに些細なイベントでもいいのだ。たとえば、飲み会でもいい。先日、同様の趣旨の投稿をしたところ、前職の著者で友人のKさんが食事に誘ってくださった。これは嬉しかったし、ありがたかった。

 

別に誰かと飲みに行きたい、ということではないのである。私孤独を理解してくださった、彼のその気持ちが、たいへんうれしかった。

 

またとりとめもない話になりそうなのでこのへんで止めるが、人間年をとると、楽しみが減っていくものだ、ということで筆を置く。