闇金ってどんだけ追い込み下手くそなんだろって思う

 

私は高校を卒業すると

 

将来一万円札になるという

 

偉い人が設立した大企業に入社した

 

自分で言うのもなんだけど

 

私はそんなに不細工じゃなかったから

 

しいて言うならそれだけが救いでもあり災難でもあった

 

まだ女性がマスコット扱いで顔が採用の基準になる

 

そんな時代だから可能にできた逆転劇だったんだけど

 

私はすぐに物凄い違和感を感じる

 

バーバーリーの私服に

 

ヴィトンのバッグ

 

身に着けてるアクセサリーはすべて本物

 

要するにお嬢さんたちの集いの中に

 

野良犬が紛れ込んだ

 

入社して二年目になるときちんと闇金に返済してるにも関わらず

 

会社に電話がかかってくるようになった

 

○○金融ですけど

 

電話対応をしてくれた同僚があからさまに怪訝な顔に変わり

 

みんな黙ってるけど静かに耳を澄ませているのがわかる

 

話の内容も

 

はい、そうですか、わかりました、その日までにはなんとか

   その、ちゃんとしますので、またこちらから連絡します

 

電話を切った後の沈黙に耐えられなかった

 

いろんな闇金からの電話がちょこちょこと入るようになると

 

私を見る周りの目が明らかに変わり

 

下手をするとこの人が闇金から金借りて悪い事してるんじゃなかろうか

 

と想像されかねない状況になってきた

 

同僚からも距離を置かれ四面楚歌になったあげく

 

いよいよ上司に呼び出され

 

私は本当の理由を告げて恥をかくより

 

まるで自分の意志であるかのように振舞い

 

退職願を提出した

 

どうやら親父が追加で金借りるので

 

闇金の追い込みがますます厳しさを増してきた

 

親父が借りて私が返すの無限ループ

 

この後、私はバイトを含めどれだけ転職したかわからない

 

それでも親父がチクるらしく

 

結局はその会社にいられなくなり

 

少ない収入はますます加速して

 

もうどうすればいいか分からなくなった時

 

姉貴が結婚という名の逃げ道を作り

 

さっさと家を出て行った

 

妹の私にすべて押し付けて

 

でもね、この後が笑うんだわ

 

確かに生活に困らない稼ぎの亭主を手に入れたけど

 

あいつずっと出自を罵られ激しいDV受けてたらしい

 

私はそれを聞いてほくそ笑んだ

 

復讐してくれた亭主に感謝だよ

 

私をずっと気分次第で殴ってきた

 

高熱で寝ている私を叩き起こし家事をさせた

 

人を騙しては私に濡れ衣を着せた

 

姉貴と言う名の鬼畜

 

一時は亭主と別居してたけど

 

低次元で見栄はりだから

 

娘の結婚を機に

 

家に戻って来たらしい

 

平気な顔をして私に電話してくるのも

 

タダの見栄

 

ウチの家族が超迷惑してるのに

 

妹の消息も分からないのは世間体が悪いらしい

 

おまえ昔から変わってねえな

 

今まで都合が悪いと何度も縁を切ると言い

 

暫くすると忘れたように電話をしてくる

 

都合のいいように振り回してんじゃねえよ

 

自分が可愛くて可愛くて仕方ない

 

その為なら妹を平気で利用する

 

このクズが

 

縁なんてとっくに切れてんだよ

 

アンタの顔見ると

 

ゲロ吐きそうだし

 

葬式なんてでないんで

 

死んだからって連絡してくんなよ