生理が予定日を一週間過ぎても来ませんでした。

生理が遅れることなんていままでほとんどなかった私。

叔母さんに話をすると、すぐに薬局に連れて行ってくれました。

妊娠検査薬を使ってみると、結果は陽性。

妊娠していました。

 

彼に妊娠していることを妊娠検査薬の写真付きでLINEしました。

私が『私妊娠してると思う。』とLINEすると彼から『思うって、、思うじゃなくてこれは絶対に妊娠してるよ!』という返事がきました。

彼はとってもパニック状態だったと思われます。

LINEの文面からそれが伝わってきました。

その日の昼、話をするために一緒にランチをしました。

お互いあんまり食欲がなく、タコスを少し食べて話を始めました。

その時に産む産まないはまだこれから話し合わなきゃいけないけど、僕はJunとずっと一緒にいるからね、と彼が言ってくれました。

 

その日の夕方、私の叔父さんと叔母さんと話をするために彼がうちにやってきました。

叔父さんに怒鳴られるんじゃないかと少し怖がっていた彼でしたが、叔父さんと叔母さんの反応は真逆で、むしろ妊娠を喜んでいました。

『Junももう30だし、年齢的には子供がいても全くおかしくない年齢なんだから。学校との両立が大変かもしれないけど、産むならサポートするよ。』と叔父さんが言ってくれたのです。

叔母さんも『ついに孫ができるのね!!』ととても嬉しそうでした。

叔母さんは息子が二人いて一人は結婚しているものの、子供はいないのでずっと自分の孫が欲しかったようです。

 

あとは自分たち次第。

私たちは話し合いをして、とりあえず病院に行くことにしました。

超音波検査と尿検査、血液検査を受けました。

尿、血液共に妊娠反応が出ているのにも関わらず、超音波検査で赤ちゃんは見えませんでした。

お医者さんによると、私の子宮が後ろ向きだから見えにくいんだろうということでした。

もう少し日にちが経ったら見えるだろうから、また日を改めてくるように言われました。

超音波検査がうまくいかなかったので、実際妊娠はしているんだけど実感がわきませんでした。

 

彼と二人でこれからどうするか、話し合いました。

産んだ時のこと、産まない選択をした場合のこと。

意見が合わず、喧嘩にもなりました。

 

それから数日後、お腹に激しい痛みが走りました。

その時彼と二人で近所を散歩していたのですが、あまりの痛さに歩けなくなりました。

彼が急いで家に戻り、車で私を迎えに来てくれました。

彼のアパートに戻りトイレに行くと、足の間から血が流れていました。

その時、あ、流産したんだな、と思いました。

 

流産して、悲しいよりもほっとしている自分がいました。

彼はずっとわたしのとなりに座って抱きしめてくれました。

言いようのない気持ちがからだの中に押し流れてきて気持ちが悪くなりました。

 

その後、病院に行きました。

本当に流産したのか調べるために、血液検査を受けました。

すると、まだ妊娠しているような数値が出たのです。

超音波では見えなかった赤ちゃん。

でも血液検査ではまるでまだ赤ちゃんが私の体にいるような数値が出て、わたしは混乱しました。

あの日の出血は夢だったんだろうか。

とりあえず、それ以来毎週一回血液検査を受けることになりました。

 

彼は仕事を休んで私を毎週血液検査のために病院に連れて行くといいましたが、結局は叔母が連れて行ってくれることになりました。

彼が病院に付き添ってくれる気があることが分かってなんだかほっとしました。

一ヵ月ほど病院に通い、やっと血液検査の結果が正常に戻り、お医者さんにもう完全に妊娠はしていないと断言されました。

 

この件以来、彼と私の距離がぐっと近くなったような気がしました。

こういう状況下で彼がどんな対応をするのかを知ることができたからです。

叔父さん叔母さんも『彼は、僕は知らないって言って責任逃れをすることだってできたのにそれをしなかった。良い対応だったと思う。』と言っていました。

 

この件がきっかけで、私は彼との将来を意識し始めるようになりました。