27日齢
この日、メイは地面の中から偶然、長いワラを見つけた。こんなものを見たことがなかったメイはとてつもなくうれしくて、ひとりで走り出した。こんな奇跡がなければ、「長いものであそぶ」なんて、雛たちは一生できないのだ。単調な鶏舎の中には、雛の好奇心を満たせるようなものは何も与えられなかった。しかしすごいものを見つけたメイは、今日だけ幸せだった。床には汚れたノコクズと雛たちの糞が積もっているだけで、なぜそれが紛れ込んだかわからない。メイはゆっくりと長い時間あそんだ。
雛はそんなささいな、ほんとうにちょっとした目新しいものでも与えられれば、子どもらしく喜んだ。高価なものである必要はこれっぽっちもないのに、鶏舎の中には、雛たちがあそべるものは何一つなかった。ブロイラーのエンリッチメントなど、ここの人間は気にもせず、メイたちを肉として太らせることにしか関心はなかった。
雛たちは安楽死すらもさせてもらえない運命だった。弱った雛は糞だらけの床の上で死ぬのを待つ。運が良ければ見つけられて、農場の人に殺された。もちろん麻酔はなく、よくて首の骨をいきなり外されて死ぬ。それでも雛は顔をゆがめ、クチバシをパクパクさせ、もがいて逝った。
体重1270g
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