だんだん現実の世界に戻ってきた

気づくとまわりはお年寄りばかりであった。

 

チューブや点滴の人と自分で食事をする人が

まざっているお部屋でした。

入院してから何度か部屋を変わって

ナースステイションからはちょっと離れていて

容態が安定しつつある状況でした。

(後で聞いたこと)

 

私は鼻からチューブ

朝昼晩と食事の時間に栄養を注入してもらいます。

食が進まないお年寄りをみては

私も口から食べたい・・・と思っていました。

 

意識が正常に?なってきた私は

看護師さんとのやりとりを楽しむようになりました。

そんなある日

仲良くなった看護師さんがきました。

『笙子さん、チューブの交換しましょう』

 

チューブには使用期間があるので、

定期的に交換するのです。

『ちょっと苦しいけど我慢してね』

『私次の交換までに口から食べたいなあ』

『ん・・・』

やさしい看護師さんはそっと目を伏せた・・・

ああ、食事はまだ先なのか・・・

 

天井をにらむ日々が続く。