あなたの気配は完全に消えていた

置き去りにされた灰皿
こびりついたこまかな残骸

もうあなたが残したものは
なにひとつみあたらない、この部屋の中に


せめて
吸いかけのタバコが一本だけでも残っていたならば


あなたが本当にここにいたことを感じられるのに



あなたは幻だったんじゃないか

あなたは私が見た夢の中の人だったんじゃないか


てがかりのない空虚な場所で

あたしは

ただ

ひざをかかえているしかないなんて



数日前に出血がひどくなって、
痛みもひどくなって、
一人きりで夜中にどうしたらいいかパニックになった。

激しい痛みがだんだん引いていき、
そのままいつの間にか寝てしまった。

そして翌日、

私のおなかの中から、赤ちゃんは出て行った。

あっけなかった。

これでお別れ。

短い親子の時間。

一瞬だけど、ママだった。

私がもっとちゃんとした人間だったら
産むことも選択できただろうに、

はじめから殺すつもりで
こんな残酷な女

あたしが死ねばよかったのに。

ごめんね
ごめんね
ごめんね

こどもがおなかにやどったことがわかった年末。

ずっと子供ができなくて、
病院にかよって、薬も飲んで、
タイミングみはからって義務みたいなセックスしても

決して赤ちゃんはやってこなかったのに。


いまの彼とのあいだに
こどもができて

でも
きっとそだてられない

あきらめようって話し合って


わたしはほんとうはうみたかったんだけど

現実的に無理だったから

こんなに愛している人とのこども

うみたいと思ったけれど

自分勝手にうむこともできないって決心した。


毎日ないた。

苦しくて苦しくて苦しくて
悲しくて
申し訳なくて

嬉しいって思ってもいけなくて
誰にもこの子のことはいっちゃいけなくて。
誰にもおめでとうっていってもらうことはなくて。


堕胎手術のこと、病院で相談していて、

でもまだ心臓が確認できなかったから

また一週間後にって言われて

結局、ぜんぜん大きくならずに死んじゃった。


育ったらいけない命だったから?


でもまだ死んじゃった子供、おなかのなかにいるんだ。

自然に出てこなかったら、
手術してかきだすんだって。


どうして
わたしは
どうして・・・。

普通の幸せを生きたらいけないんだろう。
用意するもの
1.汗ワキパッド
2.シャツなどの下に着る薄手のインナー

やり方
1.インナーに汗ワキパッドをはりつける
2.インナーを着用
3.その上に、シャツなどを着用

これだけで、直接シャツに汗がつくのを防ぎ、
シャツにいやなにおいが残らない。

この方法は今年の9月からやっているが、
今のところ、悩むほどの汗のにおいにはならない。

一回だけ、ためしにシャツだけの着用にしたら、
思ったとおりの結果に。
シャツは汗でびっしょり。
さらにいやなにおいがプーンとしてきた。

それ以来、
かならず汗ワキパッド付きインナーを着るようにしている。

毎日のつらい悩みが解消されています。
(お金かかるけどね)


夏は多量の汗をかくので、
予備のパッドを用意したほうがいいのかも?
これについてはまた夏に。
会いたい。あなたに。

いつも遠くにいて、一緒にいられない。

あたしはあたしで、やることたっぷりあるからだいたいは忘れてるけれど、

ふとしたすきま時間にあなたのことを思い出す。

あ、それでも、

またこれから忘れます。

だから大丈夫。いま、ちょっと会いたくて、さみしくなっただけ。
今日もお互い3時間だけ

3時間だけ

それでも会いたくて

彼は車で迎えにきてくれて


私はほとんど風呂にも入らず
きたならしくてみすぼらしくて
仕事に疲れた顔のまんま

だけど彼に会いたくて


彼だってきっと私にすごく会いたくて。



車の中で
たった3時間

オリンピックの話とか
汚染水の話とか
今夜のドラマの話とか
消費税はどうなるのだろうか
オリンピックの裏で可決されそうなあの法案はどうなるのかとか


そんな
全然ロマンチックではない話を

たったの二人の3時間

ずっとずっと続けていた。



手を握ることもなく
キスをすることもなく


じゃあね、さよならって言って
私は、バタンと車のドアを閉め、

彼の顔もろくに見ずに
自分のマンションの入り口に向かった。



彼が小さく開けた車の窓から
手をふってるのがわかって

なんだか悲しくなった。



手ぐらい、触ればよかった。

キスぐらいしてもよかった。


だけどなんだか恥ずかしくてできなかった。


子供みたいな恋のオハナシ。

アルコールがやめられない。
朝から飲んでいる。
飲みながら仕事している。
誰にも内緒。彼にも内緒。

朝から寝るまで飲み続けている。
家から酒がなくなると、酒のことばかり考えてしまう。

やめなくちゃ。
アルコール依存症になっちゃう。
って
もう遅いかな。
昨晩、ベゲA服用のため
起床は夕方。

嫌いでめったにつけないテレビに電気通したら
なにやら大変なことになっている様子。

地球のやることには、どうしたってさからえない。

家が吹き飛ばされちゃった人たちは
いまごろどこで寝ているのだろうか。

わたしはといえば
こうやってパソコン叩いて
つらいよ
悩みが多いよ
誰か助けてくれよ

なーんてほざいてる。


今夜のベゲはどうしようか。


自分の脳みそはコントロール可能。
こんなちっぽけな粒粒にだってできること。



しかし思う。
こんなにちっぽけな粒粒によって
どれだけたくさんの人がコントロールされちゃってるか。

恐ろしいことだと
あなたは
思いませんか?
ベゲタミンAを服用して眠りにつくと

翌日、廃人。


まあこれは良いほう。


眠くて眠くて仕方がないのに
足がムズムズしてたまらなくつらいときがある。

アカシジアっていうのかな?


ベゲは
たっぷり眠りたいときには本当に良いお薬だと思うが、

そこから復活するのに大変な時間が必要なので

あまり飲まないようにはしている。


先生は
あたしの希望どおりの薬を出してくれる。
いいのかよ。

精神科の医者って、
いい加減なんだな。全員じゃないと思うけどね。
その日あの人はいつもどおりあたしの家に来て
ゴロンと横になり
「ツカレター」と言いながら、全身の伸びをする。

そのうち、
花火の音がドンドンと響いてきたので、
ベランダから二人で見ていた。

それだけでも幸せだったのだけれど

そのあとあの人はあたしを車に乗せて

夜の首都高をドライブ。

キビキビした車線変更がたまらない。

東京にはいろんな夜景がある。

彼と見る景色。
どんな光も
この世の中にある最高の輝きに見える。



いったい今日はどうしたのだろう?

ただただ、
車を飛ばし、
ただただ、
くだらない話をして


結局あたしの家に送ってくれて
それだけ。



最後に彼が

「キスする?」
っていうから

「うん」ってうなずいて

ほんのささやかなキスをした。



ただそれだけの夜。