★いけず/藍屋秋斉(クリスマスのお話) | 玉菊のブログ

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ここでは本音だけ…★

メリークリスマス!!(*≧∀≦*)
3歳の夢を無事守り任務遂行し終わった玉菊です。
騒いでた割にヒヨコのリアクションが思ったより薄くて肩透かし( ̄▽ ̄;)

クリスマスなのでやっつけだけどお話書いてみました。
見事なやっつけです。
ホントはイヴのうちに更新したかったのだけど、酔っぱらっていて出来ず( ̄▽ ̄;)
各所力業強引過ぎじゃね?キャラ違くね?な感は否めないんだけど、クリスマスに投稿することに意味がある!と信じて載せちゃう。


★いけず/藍屋秋斉

師走の静かな夜。
自室の文机に向かっている秋斉さんに意を決して私は口を開く。
「秋斉さん、何かほしいものありませんか?」
唐突に彼の横顔に話し掛ければ、
「ほしいもの?」
きょとんとした顔で振り返る秋斉さん。
「もうすぐ私の故郷でいうクリスマスなので、日頃の感謝を込めて秋斉さんに何か贈りたいんです。」
ーそれで当日少しでも秋斉さんに会いたいんです。とは言わなかったものの、思い至った経緯を話せば、すぐに納得したように穏やかな笑みを浮かべてくれる。
「ああ、そう言われればそやったね。けど…日頃の感謝いうんやったら、贈り物をせなあかんのは、むしろわての方や。」
「とおっしゃると思いましたけど、私が秋斉さんにしたいんです。」
ちょっと喰い気味に応えると、行灯の灯りに照らされた彼は困ったように淡く微笑む。
自分の希望することをなかなか口にすることがない秋斉さんだから、きっとやんわり断られるだろうと思っていたけれど、聞いてみたかった。こんな時彼がどんなことを望むのか。
「そう言われてもなぁ。特に思い当たるもんがないさかい…」
「ものじゃなくても、してほしいこととかでもいいです!」
いらないよと言われる前にもう一度喰い気味に提案する。
それがおかしかったのか、くすりと笑って、
「してほしいこと?」
文机に向かっていた体を少しこちらに向けてくれる。机に肘をついた秋斉さんはさっきより少し楽しそうだ。
少しだけど興味を持ってくれたかな?
「なんでもします!」
意気込む私。
「なんでも?」
試すように微笑む秋斉さん。
「はい!たとえば…肩叩きとか…?」
意気込みすぎて前のめりの私。
「なんや、じいさんみたいやな…。」
若干がっかりしたように見える秋斉さん。
それで慌てて、
「じゃあ、なんだろ…?本当になんでも!私に出来ることだったらなんでもします。」
なんとかほしい答えを引き出そうと必死になっていると、
「わてが…、本気でほしいもんをほしいと言うたら、あんさんはどないするんやろね。」
優しく微笑む秋斉さんはどこか遠い目で視線を畳に落とす。
長いまつげが影を落として、彼の綺麗な顔立ちに一層の色香を漂わせる。
そこに一瞬淋しさを見た気がしたけれど、すぐに視線を持ち上げた彼の目は面白がるような悪戯な色に変わっていた。
そして、あてられてしまいそうなほど妖艶に言う。
「あんさんを困らせてしまうかもしれまへんなぁ。」
くつくつと揺れる細い喉さえも、見てはいけないもののようで目の置き場に悩む。
「あの…参考までに例えばどんな…?」
途端に焦り出してしどろもどろの私。
「言うてもええの?」
それを面白がるようににっこり笑う秋斉さん。
聞いちゃいけない気がします…。
「あんさんの気持ちは嬉しおす。けど、男相手に゛なんでも゛やなんてあんまし言うもんやありまへんえ。」
「…っ!」
「はは、真っ赤やな。」
「あ、あの!えっと…!」
あたふたしている間に秋斉さんが文机から離れて私との距離を詰める。膝を進めるその所作さえ美しい。
気づいた時には、白い綺麗な指にあごを捕らえられていた。
「せっかくやさかい、聞いてもらいまひょか。゛なんでも゛」
至近距離でにっこりされると心臓がいよいよ暴れだして、顔が真っ赤になる。
そんな私の様子には一切触れず、口唇が触れてしまいそうなところまで更に距離を詰められる。
妖しく細められた目。
弧を描く薄い口唇が囁く。
「なにがええやろなぁ」
言葉と共に吐息が口唇に触れた。
キスされるの?!
なんで?!なんでこうなったの?!
どうしたらいいのかわからず、ドキドキとうるさい鼓動に急かされて身を固くしていても、一向に口付けは降りてこない。
わざとだ。
ずっとこの距離は無理!!
涙目で秋斉さんを見つめると、彼の笑う気配と共にあごを捕らえていた指がそっと離れた。
「堪忍え。あんさんがかいらしいさかい、すこうしいけずし過ぎてしもたね。」
優しい表情。
ほっと胸を撫で下ろすものの、ふと不安がよぎる。
「十分すぎるほどもろてますよって、わてに気を遣う必要はあらへんよ。」
そのまま文机の方へ戻って行こうとする彼に、繋いでいた手を離されたような気さえした。
だめだ。
このままいつもみたいにはぐらかされて、秋斉さんの気持ちが隠されてしまう気がした。
最初からこの人は、ちょっと私を構って遊んでくれただけで、私に何かを望んではいないんだ。
そばにいるように見えて気がつくと壁の外にそっと出される。
なんだか急に淋しくなって口走る。
「もっと、…いけずしてほしいです。」
「…はぁ?」
本当に驚いたのか、秋斉さんとは思えないようなすっとんきょうな声だった。
「もっと色々いけず聞かせてください。」
変なことを言っていることはわかっている。
「また、えらいことを言い出しましたな。」
秋斉さんが半ば呆れた顔をしていることもわかっている。
だけど、もうクリスマスなんてどうでもいいから、彼と私の間にそびえ立つこの壁をどうにかしたかった。
「だって…」
「…」
下唇を噛んで俯いてしまうと、もうその壁の外で凍えてしまいそうだった。
何も言わない秋斉さんがじっと私を見つめている。
そこに呆れの色はもうなく、私の言わんとしていることに耳を貸してくれている。
だから、私は何度でもその壁を叩くんだ。
私は秋斉さんの瞳を真っ直ぐに見つめて口を開いた。
「もっと、からかって構って私の反応で遊んでください。からかわれてるのだとしても秋斉さんのしたいことやほしいものが聞けるのは嬉しいです。私にも贈り物を下さると言うのなら、クリスマスの日じゃなくてもいいので、ほんの少しの間でも秋斉さんと嬉しいことを共有出来る時間がほしいです。」
プレゼントなんかいらないし、押し付けてまでどうしてももらってほしいわけじゃない。
ただ、あなたのそばにいたいんです。
「…夜中に。」
ずっと黙って聞いていてくれた秋斉さんが静かに口を開く。
「他に誰もおらんわての部屋で、そない不用意なことを言うたら、その後どないなことになるんかわかってますの?」

冷たい瞳が私を射ぬく。
そしてそっと引き寄せられた。
「○○はん」
腕の中で聞く彼の声は優しい。
「顔、見せて。」
今度こそここは壁の内側だろうか。
「わての目を見て。」
見上げた先には静かに微笑む秋斉さん。
「ええ子やね。このかいらしい目の中にわてだけを映してほしい。」
聞こえて来たのは掠れるほどの微かな囁き。
白くて長い指が髪に触れ、頬を撫で、耳を掠めて輪郭をなぞりながら口唇に触れる。
「ここに口付けたい。」
儚げで切ない声だった。
やがて白い指は口唇を離れて喉元を通り、背中へ回される。
そのまま抱き締められて、首筋に吐息を感じる。
秋斉さんが私の肩口に顔を埋めてほとんど独り言のように呟くから。
「ここに吸い付きたい。」
身体の芯をぞくりとしたものが駆け上がっていく。
そのまま首筋に口付けられる。
堪らず秋斉さんの着物を掴んだ。
耳元で声を潜めて囁かれる。
「理性も建前もなんもかんも放り出して、この帯をほどきたい。」
そして白い指が帯に触れる。
「…っ!」
しんと静まり返った部屋に私が息を飲んだ音だけが響く。
そして秋斉さんがまるで知らない男の人のように、低く甘い熱を帯びた声で言う。
「お前がほしい。身も心も全てお前を俺のものにしたい。この髪も耳も口唇も抜けるような白い肌も。」
心も体も限界だ。
そういえば心臓がうるさい。
なんでここに来たのか、どうしてこういうことになったのか、もう何が何だか考えられない。ただわかるのはこの人が愛しくて仕方がないということだけ。
何も言えずに見開いた瞳には、じわりと涙が滲んでいる。
おどけるようにどこか自嘲するように、秋斉さんがふっと笑う。
「あくまでこれはいつものいけずや。あんさんを見て楽しんどるだけ。そういう遊び。…そろそろ部屋に戻りよし。」
くつくつと笑う秋斉さんはなんだか楽しそうで、その言葉とは裏腹に私を抱き締める彼の腕にはいっそう力が込められた。

ここは、きっと壁の中だ。
「くりすますの夜もここにおいで。それがわてのほしいもんや。」


玉菊