同姓の異性からの寵愛。
と
同姓の同性からの嫉妬。
父は、水のような人だった。
つかんだようで、つかめない。
気まぐれに帰ってきては、かわいがってくれた。
私は4歳になっていた。
母が仕事に出かけていると、父が帰ってきた。
いつものように私を「かわいがった」
父に会えることか純粋に嬉しくて。
はしゃいでいた。
今考えるとおぞましく、
とても表現できるような行為ではないのだが、
それが、
親子の「愛情」ではないのだとわかったのは、少し先だった。
そしてついに、その日はきた。
体調がすぐれず、早退してきた母が父と私の関係を目にした。
私は髪をつかまれ、ずるずると引きずられながら押入れへと閉じこめられた。
そこからは、地獄だった。
平和な時間は一瞬にして阿鼻叫喚の様相を呈したのだ。
はい。
こんな幼少期を過ごしていたら、それは人間不信になりますよね。
かんばれ、わたし。