★★アラシゴト★★


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二宮は1983年東京の下町で工場を営む家に生まれた。


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子供の頃から運動神経が良く、夢はプロ野球選手だった。


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しかし12歳のとき、いとこが勝手にジャニーズ事務所に履歴書を送り合格してしまう。

そこで歌や踊りだけでなく礼儀作法もしつけられた。


デビューしてからは地元の学校に通いながらの芸能活動。

修学旅行の記憶もない。



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二宮:「お父さーん。信号赤だよーって。・・・・・あれ?ここ何があったっけ。」


スタッフ:「ベルファーレ。」


二宮:「・・・これなんだよなぁー。」


情熱カメラ:「クラブとか行く事ないんですか?」


二宮:「絶対ないですね。」



確かにそんな時間はないのかもしれない。


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ドラマに歌にバラエティ番組。

現場から現場への毎日だ。


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しかし先輩たちとのこうした時間、教わった事も少なくない。


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撮影の合間、二宮がグローブを持ち出してきた。


二宮:「少年野球のグローブ。」


情熱カメラ:「誰が買ってくれたの?」


二宮:「お年玉で買ったの。だからいまだに捨てらんなくて。」


情熱カメラ:「ジャニーズではどこ守ってるんですか?」


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二宮:「ジャニーズではピッチャーです。」


情熱カメラ:「お、ピッチャー。」


二宮:「でも亀梨君がくると、センターとか。フフフ(笑)」


情熱カメラ:「本当はどこがやりたかったんですか?ポジションは。」


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二宮:「本当は?・・・・・・・・キャッチャーだね。」


情熱カメラ:「キャッチャー!」


光を浴びるピッチャーではなく、あえて、まとめ役のキャッチャー。



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二宮とゆっくり昼食を共にする機会があった。

アイドルとは二宮にとってどうゆう職業なのか。

彼の言葉で聞いてみたかった。


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二宮:「すみませーーん。えーっと、きざみと黒豚うどんと黒豚カレー南蛮を二つ。」


情熱カメラ:「一言じゃ言いづらいでしょうけど、(ジャニーズ事務所は)どんな会社なんですか?一言で言うと。二宮さんにとっては。」


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二宮:「・・・・・・・・・総合案内所みたいな。」


情熱カメラ:「ふぅん。」


二宮:「はい、これ、行ってきてーみたいな。はい!みたいな。」


情熱カメラ:「それに不満は言わないんですか?二宮さんは。」


二宮:「言わないですねぇ。」


情熱カメラ:「みんな言わないんですか?」


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二宮:「みんな言わないよねぇ。・・・だから、アイドルって本当に空気読めるよなぁ、あいつら。・・あいつらって、すごいなんか・・疎外しちゃいましたけど、自分を(笑)」


情熱カメラ:「空気読める・・」


二宮:「何を求められてるか分かるんですよね。多分。今、こういうことなんだろうなぁ、とか。でもなんか、それがすきなんでしょうね、きっと。あんまり自分主導で生きてきた事ないから。」


情熱カメラ:「揺ぎ無い自分ってなんかあるんですか?誰ともいないときの自分。」


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二宮:「まぁそりゃ。・・・適度に悪口言って、何かを解消して。寝る、みたいな。

なんか・・・なんすかね。アイドルって、なんなんでしょうね



しかし、そうして歩んできた道があの映画へとつながっていたのだ。


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2月。過密なドラマ収録の合間を縫って二宮はドイツ、ベルリンを訪れていた。

ドイツ女性からも沸き起こる”ニノ”というコール。


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その中で、二宮が微笑んでいた。


会見場には世界中から夥しい数のジャーナリストが詰め掛けていた。

そしてその内の一人が二宮にこう尋ねた。


”この映画で俳優としてどんな経験をしたのか”と。


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二宮:「俳優ではございませんし、あのー、日本では歌って踊っていますし、5人でグループとして活動していますし。ただ、本当に淡々と伝えられたらな、と思って。参加してる最中はそれに尽くしていました。」



アイドルである事の強烈なこだわりを感じさせる一言だった。



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翌日、二宮はベルリンの街に出た。

嵐のメンバーへお土産を買うためだ。


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次の目的地パリで、わずかに空いた時間も同じだった。


あわただしい3泊5日の旅。

着替える時間もままならなかった。



情熱カメラ:「明日はこれで休めるんですか?帰ったら。」


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二宮:「ううん。ドラマ。」


情熱カメラ:「行くんですか。」


二宮:「・・・・・・ふふ(笑)」



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3月末ドームコンサートのリハーサルに追われる二宮にまた新たな仕事が舞い込んでいた。
秋のスペシャルドラマで自閉症の若者がトレーニングを積みマラソンを完走するという韓国の実話を元にしたものだ。


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マラソンコーチ:「あなたは、何?走った事あんのか?どっかで大会に出た、とか、ないの?」


二宮:「あ~、全然ないです。」


マラソンコーチ:「あ、ないの?駅伝大会だとかさ。」


二宮:「は、ないですね。ほんと見るくらいですね。」


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問題は、その走りに加えて自閉症の若者をどう演じるかにあった。


実は二宮、この日までに自閉症の子供、数人と会い、食事をしていた。

あれこれ考えるよりその方が自然に演じられると考えたからだ。


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二宮:「手がね、すごい、敏感だね。まぁ、握手、したがりませんでしたねぇ。」


情熱カメラ:「握手したがらない。向こうが?」


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二宮:「うん。たぶん、俺たちの何倍も分かっちゃうんだろうなぁ。触るだけで。」


二宮は彼らの手の動きに手がかりを見つけたようだった。

しかし時間はあまりない。


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撮影が始まっていた。

ドラマの成功はひとえに二宮の演技にかかっている。


自閉症の若者をどう演じるのか。


手を動かし始めた。


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そして振り向いた瞬間、もう手の形が決まっていた。


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本番。

いったいいつ練習したのか。


実際、二宮のスケジュールは生半可ではない。

それでも表情には余裕があり

陰の努力を感じさせることもない。


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その上走り方までもう身に付けている。


語りたがらないのを承知で、その陰の努力を聞いてみた。



情熱カメラ:「もう、練習どのくらいしたんですか?自分で。」


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二宮:「・・・・・・なんとなーく走って、なんとなーくイメトレして・・・」


情熱カメラ:「いったいいつやるんですか?」


二宮:「いつやるって?」


情熱カメラ:「時間ないんじゃないですか?」


二宮:「いやいや。」


情熱カメラ:「ドームの・・」


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二宮:「リハね。」


情熱カメラ:「練習もあるし。走るのは何時くらいに走ってたんですか?」


二宮:「リハ終わって帰ってきてからすぐです。テンションあがってるでしょ?」


情熱カメラ:「(夜中)2時、3時に走ってたんですか?」


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二宮:「・・不審者ですよ。ね。完全に!・・本気ですから。」


アイドルは顔とスタイルだけで務まるほど甘くはない。

そんな風にも聞こえた。



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4月末。嵐始めたの東京ドーム公演。

この日、彼らはここに5万5千人の観衆を迎え入れる。


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ジャニーズのコンサートは最高のエンターテイメントでなければならない。

その事は彼らが一番よく知っている。


しかし二宮は普段と何も変わらなかった。



情熱カメラ:「普段と変わらないですか?」


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二宮:「・・・・・・・。でも、毎回、出る瞬間だけは・・本当に、瞬間ですよ?・・もう・・あれですよ。ゲロ吐きそうなくらい緊張してます。フハハハハ(笑)」


わずか、一瞬の緊張。


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開演前恒例の儀式。

ジャニーズに入って10年。


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数え切れないほどこの円陣を組んできた。


気持ちのコントロールなど、出来て当たり前なのかもしれない。

彼らは、プロのアイドルなのだ。



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二宮への最後のインタビューは

連日続く仕事の合間、ホテルの一室だった。


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二宮:「すっごいなぁ。」


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尋ねたのは二宮和也という才能が次に目指す場所。



二宮:「目標はねぇ、でもねぇ。・・・・持った事がないんですよ。」


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情熱カメラ:「へぇーー。」


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二宮:「怖いもん、だって。書いたら。あー、ここで死ぬのか、とか。死ぬのかってのは極端だけど。・・なんか、遺言を書いてる感じでしょ?未来予想図って。・・・そんな気がする。まぁ、全然アイドルだろうな。30歳は。全然アイドルですねって日本語も面白いけど。」



5万5千人、ソールドアウト。

その中心に立つ彼らはまさにアイドルだった。

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ここに辿り着くまでにどれほどの汗を流したのか我々は知らない。

アイドルはそれを語らない。


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二宮:「ドーム公演としては僕の中では夢のような目標のような通過点です。この点がどの点と結ぶか僕は楽しみでしょうがありません。」


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二宮は、そして彼らはきっと知っている。例えどれほどの大舞台でも涼しい顔でいられなければその先を夢見る資格がないことを。




情熱カメラ:「ありがとうございました。」
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二宮:「いいえこちらこそ、本当に!」


情熱カメラ:「今日もちゃんとゲームやるんですか?帰ってから・・」


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二宮:「やります。あーもう、今上でずっとやってたから。」


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明日もまた


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ドラマの撮影が待っている。