前回の続きです


やっとの事で個室の前で大声を出すN子を席に戻らせました。


ご主人にそんなに責められてるんだ… 

そうです
毎日死のうと思ってますうぅぅ

N子は泣きじゃくっています

奥様は強いですね
お子さんがいる
味方がいる
3人もいらっしゃって

そうだね

ふいに涙がこぼれました


私はどうなったっていいんです
だって1人なので
死んでほしいならそう言ってください
主人も思ってる

そんな事ないよ

いえ、死ぬんなら、まわりのもの整理しろって言われました

本気で言ってるわけないでしょ

わかった
じゃあ、ご主人とはもう連絡を取らない
約束する

もういいです
何を信じるかなんてもうどうでもいいんです。
もう二度と近づきませんので
二度と近づきません
許してください
世の中に存在しないようにしますので
このまま消えますから
消えます
消えます
消えます


不意に頭の中にピンクレディの「透明人間」の歌が浮かんでしまいました。
消えますよ~♪
消えますよ~♪
消えます♪
消えます、消えます、消えます♪

こんな修羅場なのに
私も頭がおかしくなっていたようで
急に笑いがこみ上げてきました。
さすがに笑いは封じ込めましたけど
何だかアホらしくなってきたというか、
気分的に軽くなった私は
前よりもざっくばらんに話掛けました。


1度言えばわかるよ
何度も言わないでよ
それに私はそんな事を言ってもらいに
来たんじゃないからね

○○さん(夫)の所に戻ることを伝えたかったんですよね…

そうだよ
戻るってったって
もう恋愛なんて存在しないから
あの人のだぁい好きな「愛」とか「love」とかそんなものないからね
「情」はかろうじてあるかも知れないけど

ウチもそうです

え?

何でもないです

こうやって会いに来てるのも
家族のためだよ
あなたを責めるためにきたんじゃないから

消えろって言ってる…

言ってないし
それになんかさっきから私が責められてる気がするんだけど

どうしてですか?

あなたのせいで私はこんなに追い込まれていますって言われてるような気がする

そんな事ないです
私が追い込まれてるのは自業自得ですから

落ち着いてお話がしたいんですけど

いつもそんな感じなの?

私の性格が悪いって事ですか?

違うよ
でもそんな風になると
相手は困るよね。
ほっとけないでしょ、心配じゃない

私の心配なんかしなくていいです

でも私が責めてるみたいじゃない

違います

いじめてるみたいじゃない?

違います!

いつの間にか
ずっと伏し目だったN子が
私の顔を見て話していました。

これだけでも
会ったかいがあったってもんです。

もうこの時点で私、
この女性に夫を奪われた妻ではなく
精神を病んでいる人のカウンセラーの気分になりつつありました。


続きます



 

最近、あることがきっかけで

クラフトビールに目覚めましたおねがい

 

 

生ビールは居酒屋で!

これはおうち飲み用でてへぺろ