路傍の石 | KatoShojiのブログ

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児童文学【路傍の石】を久方ぶりに読んでみました。
作者の山本有三氏は「君たちはどう生きるか」の作者(吉野氏との共著)でもあり、宮崎駿監督の映画にも触発されて読み直したくなりました。

【あらすじ】
時は明治時代。主人公の少年吾一は、優秀ながらも家が貧しく、苦労に苦労を重ねる。
半ばやけくそになっている彼に、担任の次野先生がこんな言葉をかける。
「『吾一』というのはね、我はひとりなり、我はこの世にひとりしかいないという意味だ。たった一度しかない人生をほんとうに生かさなかったら、人間、生まれてきたかいがないじゃないか」
それから吾一は、この言葉を礎に苦境に折れることなく働き続ける。そして数年後に恩師と再会を果たす。

【感想】
言葉は人を傷つけることも多いが、人を救うのもやはり言葉だと思った。
大人になって読みなおすと作中に出てくる以下の言葉が胸に刻まれた。
「艱難(かんなん)、汝を玉にする。(ただし、荒砥にばかりかかっていると大事なところまですり減らされてしまう)」

これは奉公先から吾一が東京へと逃げ、そこで知り合った京造からかけられた言葉。

苦労をすることで人は磨かれて玉(宝石)となるという意味。(そして悪いものでばかり研がれるとすり減ってもしまう)
まさにその通り!!

いまから100年前の日本は、旧制中学の進学すら儘ならない時代でした。
100年経った今、昔より不自由が少ないはずなのに生きる意味を見いだせない人が増えています。

私自身はたとえ道端の石(路傍の石)ではあっても、「生きる意味」を考え続けたいと思うのです。
まさに、君たちはどう生きるか ですね。