知人からおすすめされて、

アマルティア・セン著 池本幸生ほか訳(2018)『不平等の再検討 潜在能力と自由』岩波書店

を読んでみました。

 

所得格差が昨今の日本の社会では広がっていますが、

同時に所得だけでは測れないものの見方も広がってきています。

 

そもそも、公正とは何か?平等とはどういうことか?ということについて昔から議論はつきません。

 

本書は1998年にノーベル経済学賞を受賞したアマルティア・センが書かれた本です。

従来の経済学の視点とは大きく異なり、

「人間とは多様な存在である」という観点から本書は展開されています。

 

センのこの持論は、これまでの経済学者とは大きく見方が違うので、

とっても興味深かったです。

 

センはそのため潜在能力アプローチという手法で研究を進めているのですが、

これが倫理、哲学、法学の世界にも大きな影響を及ぼしているようです。

 

訳者による解説も充実していて、

それを読むことで本書の理解がさらに深まりました。

 

所得が増えれば生活は楽になることもあるけれど、

同時に失っていることもある。

かつての高度経済成長期がそうでした。

 

 

 

 

センの本を読んで、かつての時代を振り返って、

社会の制度や幸福に対する価値観を再評価するものさしになりそうな気がしています。

そしてそれは私たちの今後の生き方についても十分に示唆を与えてくれるものでした。

 

1回読んだだけでは十分に理解できないので、

もう一度熟読してみようと思っています。

 

人生の幸福度を所得だけではかりきれないと思っている方、

ぜひこの本を読んでみてくださいね。

おすすめですよー!!!