わたしは昔から、いろんな本を幅広く読みますが、
最近読んだこちらの本はいろいろと考えさせられました。
それは、、、
山本譲司さんが著した『累犯障害者』という本📖´-
山本譲司さんは元は議員さんで、
福祉政策に関心があった方です。
この本が発売された当時は、
いろんなところで話題になっていました。
ですが、忙しさにかまけて読むに至らず。
気がついたらかなりの年月が経過していました。
障害者というと、
身近な問題ではなく特別なひとの問題と考える人も多いでしょう。
山本さんは、そう思うのは
大手メディアの弊害もあるといいます。
日本のマスコミはどちらかというと、
自立している障害者を取り上げる傾向が多く、
健常者と同じような犯罪を犯す障害者を取り上げることはない、と。
そして犯罪を犯す障害者は貧困や幼いときの辛い体験と結びついていることも多く、
こうした方への支援が欠けている日本の現実。
この現実を作り出した側にも課題はあると山本さんは問題提起します。
本書には様々な障害を抱えた方が登場します。
かつては聾唖者が刑事犯罪を犯しても罪に問われないという法律があったことにも驚きを覚えました。
そして悪びれもせず売春にかかわる女性障害者たち。
彼女たちが売春を繰り返す背景について考察を重ねていますが、
わたしには初めて知ることばかりで衝撃的でした。
さらには刑務所がわたしにとってセーフティネットであると言うくだりには、
考えさせられるものがありました。
それだけ障害者にとって社会の現実は厳しいものがあるのでしょう。
では、どうすればよいのか。
稚拙な考察で申し訳ないのですが、
まずは実態を知ることだと思いました。
事例からでも、統計からでもよい。
実態を知ることから始まるとわたしは思います。
いずれにしてもこの本に書かれている現実は、
いまも日本の各地で起きている問題です。
目を背けてはいけないのだと感じています。