「俺はただの鞄作りなんだけどね」
ちょっと挨拶した人が言った。
スゴイなぁ鞄職人かぁと思って
そうなんですかぁなんて返事をしたのよ。

「スイス製で金具はイタリア製なんだ」
スイス製っていうのは皮のことかもしれない。
でも相手も酔っていたし、つっこむのもどうかと思って
「金具はイタリアの方が良いんですか?」
と素朴な疑問を。
デザインが良いらしい。

「高い鞄作ってるんだ」とのこと。
まぁ、手作りの鞄ったらお高いだろう。
で、そんな返答をしたら
「きっと君が想像しているより3倍は高いよ」
とドヤ顔された。
そういうトキのリアクションがワタシはとてもヘタだ。
きっと大げさに
「え~すご~い!」
とか言えると相手も気分が良いのだろう。

でもなんか、会話を続ける気が失せたんだ。
自分の仕事に誇りをもっているのは良いことだと思う。
でもそれを金額に置き換えて
高いもの作ってるから俺はスゴイんだ
って言われてる気がしちゃってさ。

もちろんね、良いものにはそれなりの値段がつくのはわかる。
でも、仕事のこだわりよりも
金額にこだわりを持ってる感じがして
とても貧しいというか下品な感じがしちゃったんだ。

そこに、彼の知り合いが来まして
「アニメとか好き?」と聞かれた。
「そんなに詳しくないですねぇ」
「彼は○○○○○○○のエンドロールにも名前が出てるんだよ」と。
ええ、そのアニメなら知っています。
とても有名です。
もしかしたら、そのアニメファンだったら
うっひょーーーー!!!!
ってなるのかもしれません。

でもその紹介の仕方もなんか…。
もにゃもにゃした。笑

ご本人はその手の話は自慢げに語ることもなかったから良かったんだけど。

スゴイなぁ、カッコ良いなぁってコトは
「スゴイでしょ?カッコ良いでしょ?」って言われて
感じるコトではないと思うんだ。

例えばすっごい大企業に勤めてるヒトや
偏差値の高い学校に行っている人っていうのは
その会社や学校に入るために積み重ねてきたモノがあるとは思うのね。
それは分かるんだけど
「こんな会社(学校)に行っているんだからすばらしいだろう!(にやり)」
的な表現は
「うちの旦那はこんな会社に行ってますのよ。」とか
「うちの子はあそこの学校なんですの。」って
自分の自慢っぽく言ってる専業主婦を思い出してしまうの。

あ、もちろんね、そういうセレブ的な出会いができた
ワタシがすばらしいのよってなものも判らなくはないんだけどさ。

アナタの人となりはどうなんすか?
って思っちゃってね。