New York. December 2007
「もう、辞めます!
明日、日本に帰ります!
お世話になりました!」
-----また始まった。これで3度目だ。
-----こいつ、“主任”とう立場がなんなのか全く理解していない。
New Yorkのお店のマネージャーの後任に
日本から連れてきた男がとんでもなくヒッピーな男だった。
なにか都合の悪いことが起こると「辞める」という言葉で
我々を脅迫し、駆け引きをしはじめる。
「ぼくが居なくなったら、みんな辞めますよ!」
-----はぁ、どこまでもご機嫌なガキだ。
このままではみんなで作り上げたお店が、
たったひとりのガキのために沈んでしまう。
とんでもないガキを連れてきたもんだ。
自分自身の人を見る目のなさに呆れている。
1月に日本に戻り癌の再検査を行う予定だったが、これじゃとてもじゃないが無理だ。
ひとりの身体じゃないのはわかっている。
誰にもいえない苦悩と戦っている。
脈拍が100を超える日もざらではなくなった。
翌日、朝目覚めると鼻から大量の血が流れ出し、
真っ白なシーツとTシャツが真っ赤に染まっていた・・・。