ゆる~く続きますよ、塩漬けお話の放出♪
あくまでも続きではないですよ。
関連づけて楽しんでくださるのは構いませんが、ただ、順番めちゃくちゃでっせ~( ̄∀ ̄)(爆)
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暖かい春風が境内奥の枝垂桜の枝を揺らす。
風に乗って運ばれてくる花びらの中にいるとあの時の景色が蘇る。
舞い散る桜吹雪を見上げる彼…。
「俺、満開の桜より散りぎわの桜の方が好きなんだ」 そう言って目を奪われていた。
私はその後ろ姿を見ながら後ずさると脇の細い路地へと姿を消した。
出会いはその数日前だった。
4月の週末、チェックインで混雑するホテルのフロントで私は途方にくれていた。
『え?予約されてないってどういう事?』
連泊で予約したホテルが翌日1泊だけで当日の予約が入っていないと言う。
幸いホテル側のミスだという事ははっきりしたが、生憎花見シーズンの週末でホテルは満室。
近隣のホテルも探してはくれたが状況はどこのホテルも同じようで空室が見つからない。
1時間近くもそうしていただろうか?
「どうしたの?」 隣から声をかけられた。
ルームキーを預け出掛けようとしていたその男の人に見憶えがあった。
桜めぐりをしている途中、ひと休みした公園で言葉を交わした人だった。
全く知らない人ではないという安心感と、さらには昼間の印象が悪くなかった事もあり、私は事の次第を話していた。
すると彼はとんでもない事を提案してきた。
「じゃあ俺と泊まらない?」
聞けば、シングルが取れなくてツインのシングルユースだという。
「いいよね?」 などとフロントの人と勝手に話を進めている。
『でも…』
「だって、困ってんでしょ?キャンセルが出ればいいけど、この時期はたぶん難しいよ。ね?」
最期のひと言はフロントの方へ向かって話していて、視線の先ではフロントの人も頷いている。
結局、困っていたホテル側にもこの申し出は「渡りに船」だったようで、とんとん拍子に話が決まってしまった。
確かに悪い人ではなさそうだけど、でも知らない人となんて…
そんな私の気持ちを見透かしたように
「知らない奴となんかじゃ不安だろうけど、ここに居ても見つかんない時は見つかんないし時間の無駄じゃね? だったら、その時間でお互いの事、知ればいいじゃん」と笑う。
昼間見かけた時の彼の様子を思い出し、それもいいかなと思った。
『そうね(笑)』
「知ってみて、それでも不安だったらその時は俺がロビーで休むからさ♪」
こうして私は夜桜見物へと連れ出された。
