陽射しはまだまだ暑いけど吹いてくる風は秋の空気を連れてくる。
サンダルを脱ぎ捨てたお前がスカートの裾を持ちあげ波と戯れている。
今年も泳ぎに来れなかったな…
そんな思いで今年も白い肌のままのお前を見つめる。
「どうしたの?」
俺の視線に気づいたお前が訊ねてきた。
『ん?今年も泳ぎに連れてこれなかったと思ってさ…』
夏の終わりに再会してから2年、去年も…そして今年も泳ぎに来ることは叶わなかった。
「仕方ないわよ。毎年夏は特に忙しいんだから」 そういって笑うお前の笑顔に胸が痛む。
再会してからも待たせるばかりで、一緒にいてやることもできなければお前が望む時に話を聞いてやることもできない。
会うのも電話も俺の予定が優先でお前は俺に合わせるばかり。
待っててくれて一緒にいてくれて俺は嬉しいけどお前はどうなんだ?
無言のまま立ち尽くす俺にお前がさらに言葉を繋ぐ。
「来年があるわよ(^-^)」
そんなふうに俺を気づかうお前にまた切なくなる。
「…来年もダメだったらその次。それもダメだったら…またその次!」
『……』
「約束は…先の方が楽しみだから…。だって、ずっと一緒にいてくれるんでしょ?だったら急ぐことはないわよ…」
ずっと一緒…
堪らなくなってお前を抱きしめた。
「何年も会えなかったんだもの…」 腕の中のお前が小さな声でつぶやく。
「気持ちを確かめることもできなくて…。あの頃に比べたら一緒に泳ぎに来れない事くらい…私、平気よ」
そう言って俺の胸にしがみつく。
『あんがとな…』
腕の中のお前が首を小さく横に振る。
「ぁ…、でもやっぱり少しは急いで欲しいかな…」
『ん?やっぱり待てない?』
「ぅうん。水着が着れないような年になっちゃったら困るから(笑)」
再会から重ねた時間が離れてた時間を超える頃、その頃までには一緒にいる事が叶っているだろうか?
これからもずっとやってくる夏に想いを馳せた。