【恋夢】あれから…5(再) | カンタ印  元気印

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日々の出来事、思った事などをとりとめもなく...

暗くなりかけた海岸に夏海を見つけた。

日が沈みぐっと冷え込んだ冬の海に他に人影はなかった。

近づいて持ってきたハーフケットを背中に掛けた。

『雄輔…』

振りむくようにおれを見た夏海の前に回ると、

ハーフケットで夏海の身体を包み込みそのままそっと抱きしめた。

「冷やしたら…駄目じゃねぇか。子供…できたんだろ?」

一瞬身を硬くした夏海が小さく頷いた。

「ごめん…おれ鈍くて…。だけど、何で言わね?おれって信用できない?そんなに頼りない?」

『…ぅ…違ぅ…そぅ…じゃない…』

小さな声で途切れ途切れに言いながら、夏海が必死に首を振っている。

おれは夏海が落ちつくまでその背中をさすり続けた。



海岸から海沿いの道へと続く階段に腰掛ける。

この階段の端が雄輔と初めて言葉を交わした場所…。

ポットのレモネードを飲みながら隣の雄輔に話した。

『雄輔の事は信じてるよ。頼りにもしてる…。

赤ちゃんが…出来たって判った時…喜ぶ雄輔の顔が真っ先に浮かんだ』

雄輔は私の言葉1つ1つに頷きながら黙って聞いている。

『私も…嬉しかった』

「…」

言葉にしない雄輔に代わって声に出した。

『じゃあ何で?…そうよね?』

もたれてた雄輔から離れると、空に浮かぶ月を見上げた。

『不安に…なったの。あの子の事…忘れてしまうんじゃないか?って。

雄輔といると安心できて…幸せで…。

あんなに辛かった剛士の事も、いつの間にか忘れてた。

あの子の事も、この子が生まれたら忘れてしまうんじゃないかって…。

馬鹿…よね?

嬉しいのに…幸せなのに…雄輔と同じ気持ちで喜べない…そう思ったら、言えなくなっちゃったの』



言葉を選びながら話す夏海の想いを聞いていた。

これからはおれが守る。

…そう思っていたけれど、やっぱりおれはまだまだガキみてぇだな(笑)

だけど…。

持っていたカップを夏海の手から取り上げると、夏海の前にしゃがみ込みその手を取った。

                                                    つづく