『ごめんね。寝ちゃった』
「夏海さん、疲れてんですよ。ゆっくり休んで下さいね」
『ありがと。明日休みだし、そうするね』そう言って、車を降りる。
降りる時、熱のせいでヒールの足元が少しフラついた。
「まだ寝ぼけてるの?(・∀・)」雄輔くんはそう言って笑った。
よかった。気づいてない。
雄輔君と別れ、自分の部屋に向かう。
部屋の前の廊下までくると、車を降りて、煙草を吸っている雄輔君の姿が見えた。
私に気づき、手を振る。
私も手を振り返すと、カギを開けて部屋に入った。
そして、そのまま玄関先に座り込んだ。
『着替えてベッドで寝ないと・・・』そう思いながらも、壁にもたれたまま動けずにいた。
夢の中で雄輔君の声を聞いた気がした。愛しい雄輔君の首に両手を回す。
いいよね、夢の中だもん。甘えても・・・。
翌朝、目覚めた私はベッドの中にいた。
部屋の中を見渡すと、ソファーにもたれて雄輔君が眠っている。
『私、どうしたんだっけ?』昨日の記憶をたどる。
「大丈夫?」気配に気づいたのか雄輔君も目を覚ました。
雄輔君は私のベッドに腰掛けると、自分のおでこを私のおでこにくっつけてきた。
「まだ少し熱あるかなぁ・・・」
『(〃∇〃)ぁ、あの・・・』
「携帯が車に落ちてたから届けに来て、そしたら夏海さん倒れてて、スッゲー熱で・・・」
雄輔君はベッドから下りると、脇に正座して手を合せた。
「ごめん(。-人-。)!勝手にあがって!でもおれ、夏海さんひとりにしておけなくて・・・」
『雄輔君・・・。謝んないでよ、ありがとう(ノ_・。)』
「それに・・・」
『それに・・・?』
雄輔君が視線を落とすと、みるみる耳まで真っ赤なる。
私はその時になって初めて、自分がパジャマに着替えてる事に気づいた。
「(//・_・//)えっと・・・あの・・・ドレスのままじゃ苦しそうだったから・・・でも、ゼッテー見てね~し、暗かったし、目ぇつむってたし・・・」
慌てて、しどろもどろで言い訳する雄輔君がおかしかった。
「そうだ!夏海さん、腹減ってない?おれ、なんか買ってくるよ」そう言って、逃げるように出掛けていく。
私は1人になって思っていた。
誰かに看病してもらったなんて、何年振りだろう?
どうして雄輔君といると、こんなにも安心なんだろう?
少しだけ、今だけなら甘えてもいいのかな?今だけだから・・・。
私は自分の中に芽生えた戸惑いの感情への答えを探していた。
つづく