『早く帰らなくていいの?優紀が待ってるんじゃないの?』
ビールを飲みながらお好み焼きをつつく。
〈あ~、優紀だったら、今は実家〉
『実家?喧嘩でもしたの?』
驚いて聞き返すと、悪阻が重いので落ちつくまで実家で世話になる事にしたと言う。
〈そんな事より、お前達こそどうしたんだ?「麻紀が電話に出てくれね~(ToT)」って、雄輔がこぼしてたぞ(笑)〉
あの日、いつもはある雄輔君からの連絡を待っていた。
でも、電話もメールも1晩中くる事はなかった。
そんな事は初めての事だった。
あんなに優しくしてくれたのに、私はいつまでも剛士の事がどこかに引っ掛かってて…。
愛想をつかした雄輔君が他の子と何かあっても仕方ない。…そう思った。
でも、その事を切り出されるのが怖くて、電話に出られずにいた。
何か言いたそうに剛士が向かいの席からビール片手に隣に移ってくる。
私の耳元に顔を寄せると、声をひそめて訊いた。
〈なぁ、もう雄輔と寝た?〉
『…何っ…(// //) 剛士、酔っ払ってるの?』
あまりにストレートな質問に真っ赤になってしまう。
〈やっぱ、まだか(・∀・) 雄輔も我慢強いよな~(笑)〉
何にも答えてないのに1人で納得して話している。
〈何で許してやんないの? あんないいヤツいないぞ~。 麻紀にゾッコンだし~(笑)〉
人の気も知らないでケラケラ笑う。
誰のせいだと思ってるのよ。 それに雄輔君には…
『そんな事…そんな事ないと思うよ。 雄輔君、彼女いるみたいだし…』
〈はぁ? 麻紀、何言ってんの?〉
『だって、見たんだもん(ノ_・。)』
私は会社の前で見た事を剛士に話した。
〈それで?〉
『それで…って…?』
〈だって、雄輔に確かめた訳じゃないんだろ? 確かめなくていいのか?〉
『だって…きっと私に愛想をつかしたのよ? 今さら…何て…?』
〈そうか…。 それでいいんだ…〉
剛士が手に持っていたビールをテーブルに置いた。
〈じゃあ…俺にもまだ…チャンスがあるって事だな…〉
え?
突然、肩を引き寄せられたかと思うと、剛士の顔が近づいてきた。
つづく