フライパンを振るマスターを眺めながらグラスを傾けた。
この人の存在にどれだけ助けられて来ただろう。
数年前に越してきたこの町、知ってる人なんて誰もいなかった。
ううん、知ってる人がいない所を望んだから、縁もゆかりもないこの土地にやってきた。
ただ生きていく為だけに働いて、暇潰しをして毎日を過ごしていた。
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かなり遅い時間。灯りの点いてる看板を見つけ、音楽の漏れ聞こえてくる階段を降りて行く。
階段を降りきる前に音楽が止まると、店の中から男の人が出てきた。
『もう終わり?』 そう訊く私に
「ええ…」 そう言いながら看板の灯りを消した。
「だけど…まだ飲むんだったらお付きあいしますよ(笑)」
ネクタイをゆるめながら笑ったマスターは私を店内へと促した。
「水割りでいい?」フォアローゼスの瓶を手に私に訊ねる。
『ロックにして…』そう答えるとマスターは少し呆れたように笑った。
不思議だった。
お客とお店の人という訳でもないのに会ったばかりの男の人と2人きり。
しかも閉店した店のカウンターで並んで話をした。
だけどそれは何故か心地のよいものだった。
久しぶりに楽しいお酒を飲んで、いつしか私は誰にも話した事のない思い出話を始めていた。
思い出というにはまだ鮮明で、でも遥か遠い昔の事に思えるような出来事。
マスターは静かに話に耳を傾けていた。
つづく
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この話、どうなるんでしょうね?
リレー小説でもないのに、今回ばかりは私にもさっぱり( ̄ー ̄;
ま、細切れで細々書いていきますわ(笑)