目の前の和美ちゃんが僕の鼻をつまんで笑っている。
『おはよ♪』
「あ…おはよ」
昨日までとは違う穏やかな表情の和美ちゃんが何だかとても綺麗で僕はドキドキしていた。
『直樹君…腕ゆるめてくれる?』そう言いながら和美ちゃんが困ったように笑う。
「え?」
『身動き…できないよ(笑)』拗ねたように言う和美ちゃんが可愛かった。
前の日は和美ちゃんを抱きしめて眠っただけで、何もしなかった。
本当は和美ちゃんを抱きたかったけど、でも何となく和美ちゃんの考えてる事が分かってそうはしなかった。
多分だけれど、でもきっと…。その想いを尊重したかった。
〈そうかぁ~。一緒になることにしたか!〉
僕の話を聞いた剛士さんが満足そうに頷いている。
〈直樹、よかったな〉そう言って自分の事のように喜んでくれた。
〈で、何でこんなトコに俺といる訳?こういうトコには和美ちゃんと来なよ〉
そう言って呆れたように笑う。
〈そうだ!和美ちゃんを呼びなよ。まだ仕事終んないの?〉そう訊く剛士さんに答えた。
「仕事は僕より先にあがりましたよ。だけど今頃は…」
彼に会っている頃だろうと思った。
和美ちゃんは何も言わなかったけど、その態度で何となく気づいていた。
〈直樹?お前それでいいの?〉
「どうしてですか?僕は構いませんよ」
和美ちゃんは以前に言っていた。
彼にプロポーズされた事。その時は仕事が楽しくて断った事。
でも、和美ちゃんが結婚を意識しだした時には…。
和美ちゃんが気にしてた他の誰かの事も、今になって思い返してみると
何かあったのは最近になってからの事で、僕との事があった時にはまだ何もなかったと思うと言っていた。
「赤ちゃんの事もだけど、タイミングってあると思うんです。
和美ちゃんの彼も別に悪いヤツじゃないし、和美ちゃんの事も大切にしてたんだと思うんですよ。
ただタイミングが合わなかっただけ…。
だから、ケジメをつける為にも和美ちゃんは『さよなら』をしに行ったんじゃないかと思うんです」
そう言った僕の肩を剛士さんは笑顔で叩いた。
何だか剛士さんに男として認められたみたいで僕は嬉しかった。
「和美ちゃん♪」帰ってきた和美ちゃんに声をかけた。
『直樹君!どうしたの?』部屋の前で待っていた僕に驚いている。
「ん?和美ちゃんに渡したいものがあってね。中、入れてくれる?」
部屋のドアを見てそう言った。
つづく
゚・:,。゚・:,。★゚・:,。゚・:,。☆゚・:,。゚・:,。★゚・:,。゚・:,。☆゚・:,。゚・:,。★゚・:,。゚・:,。☆゚・:,。゚・:,。★゚・:,。゚・:,。☆゚・:,。゚・:,。★゚・:,。゚・:,。☆゚・:,。゚・:,。★゚・:,。゚・:,。☆
びっくりした?
たまにはこんな時間の更新もいいでしょう?(笑)