雄輔君に支えられるようにして部屋にあがった。
少し広めのワンルームの部屋に私を座らせると、玄関脇の小さなキッチンに飲み物をいれに行く。
何回か立ち寄った事はあるけれど、いつも車で雄輔君を待っているだけで中に入った事はなかった。
「飲んで。あったまるから」
私にマグカップを渡しながら自分も隣に座る。
美味しい…
少し甘いカフェオレが冷えた身体を温めていく。
訊きたい事はたくさんあったけど、今はもう少し…。
雄輔君の肩にもたれて、ただその温もりを感じていたかった。
「何が…あった? そろそろ話してくんね?」 そう言われて切り出した。
『…誰?この前の女の子』
「女…の子?」
雄輔君がいぶかしげな顔をする。
『隠さないで…。私…見たの…会社の前で…。泣き出した女の子…車に乗せて…』
何かに気づいたように顔つきが変わった。
『あの日、雄輔君から連絡くるの待ってたけど…こなかった。あんな事…初めてだったよね…』
「あれ…見たの?」
コクンと頷く。
『違うの…雄輔君を責めてるんじゃないの。 私がいけないんだもの…いつまでも剛士にこだわって…。
だから、雄輔君に愛想尽かされても仕方ないの…。だけど…』
涙を堪えるように、もうぬるくなってしまった残りのカフェオレを一気に飲み干した。
『何で…私に優しくするの? 「会いたかった」なんて言うの? 何で?』
「麻紀、聞いて!」
だんだん強くなる私の口調に両肩を掴むと言った。
「あれは…」
嫌!聞きたくない!
「…妹」
え…?
『…いも…うと…?』
「ああ、一緒に暮らしてる彼氏と大喧嘩したらしくてな。
うちに連れて帰ったんだけど、彼氏が連れ戻しにくるわ、アイツは帰らないって言い張るわで朝まで…。
勝手にやらせとこうと思ったのに《ここに居て!》〈ここに居て下さい!〉って、2人して…(-""-;)
全然、解放してくれね~でやんの!信用…してくれた?(笑)」
『ごめん…なさい』 私は俯くしかなかった。
私ったら勝手に勘違いして、落ち込んで…。
「ヤキモチ…妬いてくれたんか?」
雄輔君が私の顔を覗き込んでくる。
『…剛士の事は…自分の気持ち押し殺して譲れたの。でも…雄輔君はダメだった。
黙ったまま諦めるなんて…できなかったの…』
あごを持ち上げられて、雄輔君と目が合う。
「麻紀…お前、ホントにわりぃ~女だな。 俺、もう我慢できねぇぞ…」
今まで見たことのない目で見つめられて、思わず答えていた。
『…いい…よ。 抱いて…』
雄輔君に背中を向け、胸のボタンに指をかけた。
つづく