【恋夢】切ない夜・・・3 | カンタ印  元気印

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日々の出来事、思った事などをとりとめもなく...

鼻先をくすぐるイイ匂いで目が覚めた。


何処だぁ?ここ?  目の前に見慣れない景色が広がる。


自宅ではない部屋の玄関で寝ていた。


『雄輔?起きたの?』 声のする方を見上げると、先輩が俺を見下ろして笑っていた。


「サチ!」 慌てて飛び起きて正座した俺の前に、先輩も同じようにちょこんと正座する。


『昨日はありがとうございました。 おかげで楽しい誕生日でした』 


頭を下げながら、照れくさそうに言った顔が、少女みたいに可愛くてドキッとする。


『顔、洗ってきたら?』 差し出されたタオルを受け取ると、俺は洗面所に向かった。




洗面所の鏡を覗き込みながら、昨日の事を思い出す。


さんざん騒いで、意外にも俺自身がスッゲー楽しくて、気づいた時にはサチって呼んでいた。


1人で大丈夫だと言う先輩をムリヤリ送り、水をもらおうと玄関で待っていて、


・・・で、おちたな。( ̄ー ̄;



『食べるでしょ?』 顔を洗って戻ると、朝食の用意がされていた。


テーブルに焼き魚や玉子焼きなどの純和風の料理が並ぶ。 独り暮らしの俺には懐かしい朝食だ。


「サチ、料理できんだ?」 そういう俺に、


『ヒドイわね。これくらい出来るわよ』 そう言って膨れた顔がまた可愛らしい。


ちょうど飯を食い終わった頃、先輩の携帯が鳴った。


ディスプレイ画面を見た先輩は表情を変えると、


『ごめん。ちょっと・・・』 と言って、慌てて隣の部屋へと消えた。


『・・・仕方ないわよ。・・・・今から?・・・・だって、今日は・・・』 そんな声が漏れ聞こえてくる。


オトコだな・・・そう思った。 多分、昨日の約束の相手。


「雄輔・・・」 戻ってきて何か言いかける先輩に、


『ごちそうさま~♪ 俺、帰りますね』 そう言うと、先輩の部屋を後にした。


外は気持ちのいい青空が広がっていたが、俺の心は何だか晴れなかった。


                                                     つづく