地上波では5日(土)深夜、ABC 虎バンが放送され、
阪神を退団することになった下柳剛投手に、矢野燿大さんがインタビューを行い
遅くなりましたが、シモさんの熱いトークが聞けたので
アメンバー限定で、その内容をお知らせします。
下さん、矢野さん、清水次郎アナの3人でのトーク、
ビールで乾杯
矢野:あぁ~!
下柳:練習上がりうまいわ!(爆笑)
★下柳の2011年シーズン★
清水:今シーズン、ちょっとね、下柳さんは悔しいシーズンとは思うんですが、矢野さんからご覧になって下柳さんの2011年のシーズンはどんな風にご覧になられましたか?
矢野:全然ダメだったら、これは仕方がないなぁと思えるんだけれど、そこでまあまあいいピッチングをシモがしてるのにっていうのが凄くあって、そういう意味ではこういう結果(戦力外)になったけど、そこまで行くのにもう一回、なんかあっちゃんちゃうんという思いが強いですね。
~ナレーション~
今シーズン、開幕ローテーション入りを果たした下柳剛。しかし、打線の援護にも恵まれず、6試合に先発するも勝ち星なし。
6月7日には登録を抹消。2軍での調整を強いられた。その後、伝えられたのは、戦力外。
★下柳のプライド★
下柳:ファームに落とされる時も、もう一回チャンスがあるっていう話があったんで、ちゃんと準備をしてから、いつでも行けるようにとは思って準備はしていましたけど・・・。まあ、そこは悔しいですよね。
矢野:俺らの年齢になってきて、2軍で一生懸命やるというのは、なんかちょっと変なプライドもありながらの、でも、シモのホンマに凄いところはそこなのね。育成の選手に対して、2軍の試合にも行かれへんような子に対して、シート打撃に投げる、これはシモしかできへんのとちゃうんかいなあ、オレならプライドが邪魔するから。
下柳:プライドとかね下手なところに持つよりも、その上の舞台に立って打たれることが一番プライドが傷つくことだから、そのためにできる準備をね、何でもやれることはやろうと思う。
矢野:今、名言出したんとちゃうん!エエこと言うたんなあ、今!(爆笑)
下柳:(笑いながら)今、オレもカッコよかったかなと思って。(爆笑)
清水:それ、頂きました!
~ナレーション~
9月23日、阪神最後となったオリックスとの2軍戦。試合開始2時間前から、スタンドはすでに超満員。下柳のタテジマでのラスト登板を見守った。(異例の外野開放で観衆1300人)矢野もまたその1人だった。
★阪神でのラストゲーム★
矢野:もう、鳴尾の外に人が、ずらっと並んでんの見たときに、めっちゃ嬉しかった。ああ、ここにおる人、皆がオレと同じ気持ち、ここに来てる人は、みんなシモに対して同じ気持ち、ありがとうとか、シモ頑張れとか、という気持ちで来ているばっかりやなって。
下柳:予想外の展開やったね。ありがとうございますっていう感じですね。
矢野:でも、ねえ、全然、シモは最後って言う感じで投げてなかったもんね。
下柳:オレは顔見せだけで1イニングでいいですよって、中西さんに話していたら、1イニングやったらホンマに引退試合見たいになるからダメ、絶対に2イニング投げろって言ってくれたから、じゃあ、2イニング投げますって言ったけど。
矢野:そうかあ。
下柳:でも、オリックスのスタメンが、全部右(バッター)なんよ、こいつら本気で行ってるんや、ちょっとね、阪神の最後ぐらいカッコつけさせてくれよ見たいなところがあったんだけど(爆笑)
~最後の試合映像に、ナレーション~
得点圏にランナーを背負うも、持ち前の粘り強いピッチングで2回を無失点。投げ終えた下柳、チームメート、そしてファンに感謝の気持ちを表した。
★お互いの第一印象★
清水:おふたりとも長い付き合いですが、まず、第一印象は。
矢野:風貌も見た目もちょっと怖いから、はじめは新聞記事で、オレが声をかけますって書いてたんやけど、オレも全然声掛ける勇気もなくて、結局、シモがじれて声をかけてくれたんよな。(笑)
下柳:そうそう、新聞見たら、矢野が声掛けるって書いてあったからずーっと待っとったんやけど、キャンプ始まっても声掛けてくれんから、受けにも来てくれへんし、どうなってんのかなあって。(爆笑)
矢野:お互い気を使うよね。上下関係がはっきりしている方が話しやすいし。
下柳:だから、最初来た時は、広澤さんとも話しやすかったし、伊良部とも話しやすかったし。
矢野:だってさあ、広澤さんやろ、伊良部やろ、そしてシモやろ・・・どう見てもプロレスラーやん(爆笑)完全にレスラーやろ!
下柳:(爆笑)
清水:ですねえ。(笑)
矢野:あの3人、おってみぃ。絶対、入られんってそこに。(爆笑)
~ナレーション~
2003年、阪神に移籍した下柳。同級生の矢野とは、8年間で145試合、バッテリーを組んだ。二人で積み上げた勝ち星は65。通算勝利数の半分を超え、矢野と下柳、お互いが野球人生に欠かせない存在であるという。(下柳-矢野バッテリーでの成績、145試合で65勝24敗)
★認め合う互いの力★
下柳:大事なところでどういう球で勝負したいキャッチャーなのか、バッターを見るのか、今日の調子のいい球を見るのか、ということを見てたけど、矢野のリードが、いい球を使ってくれたり、バッターの弱点を突いてくれたり、臨機応変にやってくれたんで任せられるなあって思いました。
矢野:シモの一番凄いのは、オレは気持ちを込めるっていうか、このボールをこうしたいという気持ちを持って投げるのって、めちゃ疲れると思うんよね。それがシモはできる。それがブルペンからできる。だから、試合もそのまま普通に入っていける。その一球一球気持ちを込めた野球ってめちゃ疲れるんと思うよね。それで、(バッターが)空振りせえへんかったら、「振れや、お前!」とかなあ(爆笑)。森野(中日)にフォークボールを最高のところ投げて振れへんかったら怒るから(爆笑)。あれおもろかったなあ。(笑)
下柳:これ以上ないというところからボールが落ちて見逃すから、「振れや、こらぁ!」って(爆笑)。
矢野:しかも、「ボケ!」まで付いて。「振れや、ボケ!」ってなあ。オレも笑いそうになったもん(爆笑)。それぐらいシモはボールに気持ちを込めているんで、それぐらいになるっていうのは、オレはシモぐらいしかおらかったと思うわ。
★最高のバッテリー★
清水:おふたりは本当にいいバッテリーというか、理想の夫婦みたいな感じなんですが、そういう賞がプロ野球にはありますよね。バッテリーには。
矢野:はい。(2005年の)最多勝の時には。
下柳:最多勝の時には獲れるかなあって思ったんだけど。それ欲しかったんだけど、球児やった(笑)。
清水:ピッチャーが。
下柳:ピッチャーが球児で、キャッチャーが矢野やった。
矢野:だから、オレが浮気したみたいな。
下柳:ごっつジェラシーやぁ。なんか寝取られたみたいな(爆笑)。ごっつい気持ち悪いわもう。離婚届けだそうかと思ったわ(笑)。
清水:あの年は、おふたりで組んでね。
矢野:負けも少なかったし。
清水:15勝3敗ですね。
矢野:あれはねえ、あの年はオレも嬉しかったねえ。
下柳:めちゃ嬉しかったなあ。また、(最多勝決めた試合で)そこで打ったのが、鳥谷やったしね。
★下柳の送別会で鳥谷が・・・★
~ナレーション
2005年、最終戦。勝てば15勝目。初めての最多勝を獲得する。見方の攻守に助けながら、同点のまま10回を投げきった。
【2005.10.12最終戦のVTRを見ながら】
矢野:もう、この回(10回)終わったらと変わるかっていう感じあったもんなあ。
下柳:もう、交代って言われてたから。
【10回裏、鳥谷がサヨナラホームラン】
矢野:でも、これで打ってくれたから。
【ベンチ裏で着替えていたシモさん慌ててグランドへ】
下柳:アンダーシャツ着てなかったから。めっちゃ嬉しかった。
矢野:頭下げたもんなあ。
下柳:ありがとうってね。
清水:先日ですか、送別会で鳥谷選手とお会いさせたそうですが。
矢野:いい会でしたよ。鳥谷の話なんて凄く良かったよなあ。昔はボロカス言ってたもんなあ(爆笑)。使えへんとか。飛び込めとか。ホンマに厳しくね、鳥谷も泣きそうになるぐらいね。
下柳:最初は頭に来てたって言ってたよね。
矢野;最初は(シモさんのことが)嫌で、でも、下柳さんにああやって言ってもらったことは、僕、今、ホンマに感謝していますって送別会で言った時には、やっぱ凄いなあと。
下柳:うん。
矢野:やっぱりシモがそういうことを言ったことで、鳥谷が成長させたんやと思うんよね。今年、間違いなくゴールデングラブ賞獲ると思うけど。これは、ホンマに下柳のおかげよ。
下柳:ホントに、言いたくもないことでもあるし、言わなきゃオレのためにもならないし、アイツのためにもならないことだったから、最後、為になったって言ってくれたことはホントに嬉しかったよ。
~2人だけのトーク~
★戦力外を受けて★
矢野:聞きにくいこともここからは聞かせてもらうんやけど、タイガースから戦力外になった時は、どういう気持ちやったのかを聞きたいんやけど。
下柳:一番腹立つのは、最初に新聞に戦力外って書かれて。どうせなら直接聞きたかったというのはあったけど、戦力外ですよっていうことを先に新聞に書かれたということはもの凄く寂しさがあった。
★現役続行の理由★
矢野:そうやな。でも、そういう思いが余計に、現役に対する思いみたいなものにつながっていったと思うし。
下柳:いつでも投げれるぞっていうことはしたいし、お恥ずかしい話なんやけど、うちの子どもが産まれてから、まだ、子どもにウイニングボールをプレゼントしてないから、矢野みたいに肘が痛くて投げれないということじゃなくて、自分の頑張り次第では現役ができる形にまだあるんで、それがあるうちはね、ウイニングボールを子どもに渡してあげたいなあと思っているんで、やれるだけやろうと。
矢野:いや~、いいね。なんか、自分だけじゃなかなか続けようと思っても続かないし、奥さんだったり、子どもの存在って大きいよね。
下柳:子どもいなかったら、もうやめてんだけどね。
矢野:まあ、ねえ。
★ライバル★
矢野:現役を続けてやっていくとなった時に、ライバルってどうかな?
下柳:ライバルは自分の気持ちだと思う。年齢とともにというか、ここ1、2年は特に、トレーニングしても、あとひと粘りみないなので、本当に気持ちが折れそうになるから、ああ、もういいかなって。そこを頑張り切れたら、来年またいい成績が出せると思う。だから、ライバルは、自分の気持ちかな。今年はホントに腹立ってたし、投げたかったしね。チームは最後ああいう状況やったし。
★今のタイガースへ★
矢野:なんか、今のタイガースに足りないものって、なんやと思う?
下柳:やっぱり、貪欲さじゃないけど、勝ちたいという気持ち。2003年なんか特に、監督自体が勝ちたいんや、勝ちたいんやって言うてたけど、その気持ちの強さがね。あの時はみんながホントに勝ちたかったし。
矢野:ホンマに飢えとったよね。
下柳:弱い阪神と言われたチームに入って勝ちたいって、オレも日ハムから来て優勝もしたことなくて勝ちたい、優勝して見返してやりたいって、その勝ちたいという気持ちをもっと前面にじゃないけど。特に先発ピッチャーでも、1点取られても、次の1点は絶対にやらんぞという姿勢が思いっきり見えるぐらい頑張ってほしい。
矢野:ホンマに、心からみんな応援していると思うんで、元気な姿を。
下柳:ありがとう!
矢野:一人じゃないんで、見せてください。
下柳:ありがとう!
●矢野さんのコメント
本当に自然なシモを見てもらえたと思うのでそれが良かったと思います。送別会で(鳥谷の話を聞いた)シモも泣いていたし、みんな一言ずつ挨拶したんですけど、裏方さんも泣いていたし、僕も泣いたし、鳥谷が話していた時はシモも泣いていたし、すごくみんな付き合ってくれていい会でした。
●下柳投手からファンへメッセージ
9年間という、自分にとって長いような短いような長いような、本当に熱い声援ありがとうございました。まだ先のことは決まっていませんが、また別の形で甲子園のマウンドへ立てるように頑張ります。これからも阪神共々、応援よろしくお願いします。ありがとうございました。・・・(笑顔で)100点!
以上でした。
数年先に
矢野、下柳、金本のトリオが再び同じユニフォームを着て、
阪神タイガースを再建してくれる日が来るを熱望します。