トナカイ族の翔くんがかわいくて、愛おしくてたまらないもんな。
正直こんな気持ちになるとは思ってなくて、こんな気持ちも初めてで。
最初、翔くんに声をかけたのは好みのタイプ!てのは多少作用したけど美味しそうだぁ、あのこ食べたらうまいだろうなぁ…食いたいなぁ、落とせる自信ならあるし!
それに落とさないとトナカイなしでソリを引いて各家庭にプレゼントを運ばないといけなくなる!
サンタ族は空中散歩…つまり空で歩くことはできても誰一人羽根なんて持ってないから飛べない。
となると自力でソリを引くしかない!
それはそれで相当大変で過酷なのはサンタ族全員が理解してる上にオレらが任されてる地域は子供がいる家庭が多い!
ファミリー主体の街だから半端なく忙しい!
仕事は好きでも限度ってもんがある!
少しでも体力温存するにはトナカイは必要不可なのだ。
だから、なんとしてもトナカイは手にしたい!
しかもトナカイ族はオレらサンタ族と相性が悪ければ飛んでくれないから、こっちも必死なわけ!
他の街はサンタ1人に対してトナカイが1人多くて2人の組み合わせが主流だがオレらの街は違う。
ここは激務地区だから3人から4人でチームを組んでトナカイを捕まえる…じゃなかったゲットする!
トナカイをゲットすることが、まずはクリスマスの初仕事!
チームの誰でもいいからトナカイをゲットすることからスタート!する。
・・・から始まってるからさ、最初はビジネスパートナー!しかも一夜限りのビジネスパートナーを手にすること!が目的だったから、翔くんに惚れるなんて思ってもなかったんだ。
まずは一晩だけの(なんていったら変だけど)ビジネスパートナーを確保しないと来年も!よろしく!とならないし、その前にオレらの街の空を飛んで、また来たいと思うトナカイは少ないとおもう。
だから毎年、毎年トナカイ探しから始まるんだもんな。
そしてなんだか不貞腐れてそうな翔くんが居て声を掛けたんだ。
そこからこんなふうに翔くんに恋して堕ちるなんて考えてもなかったよ。
別にサンタがトナカイに恋してはいけない!って事もないし、これこそそんな掟や縛りもない。
問題視するなら本物の人間に恋してしまった場合のみだ。
トナカイ族もサンタ族も人間と恋をするのは駄目ではないが子孫は望めない。
だからといって正体を明かしたら人とゆう人間がサンタ族やトナカイ族のオレらと生涯を共にする選択をする事は正直少ない。
結果的にサンタ族同士、トナカイ族同士の恋愛がベストだがサンタ族とトナカイ族が恋愛し結ばれるのも大いにある。
子孫を残そうとすれは、そこは人間界同様男女の組み合わせがいいのだが…サンタ族もトナカイ族も稀ではあるが同性カップルでも子孫を残せる…ことがあるとかないとか。
ま、いまの自分はそこまで考えないのだけど、もしもしだよ?翔くんと将来を共にすると約束して……と、と、とりあえず翔くんが妊娠?したとして…オレは妊娠するとか想像できない!けど!翔くんが!なら想像できてしまうあたり…オレ相当翔くんのこと愛してんだな。
じゃなくて!や、愛してるけど!
そうじゃなくて!翔くんがオレの子を孕ったら…オレめちゃくちゃ優しくするよ?
やばっ…どうしよっ…翔くんがオレの子を産む?
やばい、やばい、やばい……かわいいだろうなぁ…かっこいいだろうなぁ…。
あ!じゃなかった…えっと岡田君なんて?
なんの話をしてたっけ?