そんな話を聞いてしまったら…守るでしょ! 翔ちゃんはおれのすきな人だもん!まだ、告ってないけど!!
それから 何度か 今、目の前で起きてるような場面を目にしてきた。
倒れて気を失う寸前に助けられたらいいけど、間に合わなくて気を失い倒れてしまった翔ちゃんを助けたときは、ほっとはしても悔しいとおもった。
もしかしたら 今、目の前で起きてることだって ツレが教えてくれなきゃ・・・ここにおれは居ない。
「翔?」
「あ、さと、し・・・くん」
「そんなところで何やってんの?」
「あ、あのっ・・・」
「あれ?大野くん?だよね?」
「あんた、だれ?」
「え?オレのこと知らないの?」
「知らねえよ。女も男も見境なく声掛けまくってるナンパ野郎って噂だけは聞いたことあるけど?」
てか、中三にして、そんな噂が立つおとこってどうかと思うぞ?
「失礼な言い方しないでくれる?」
「失礼はどっちだよ? あんた オレの大事なツレに何したの?」
翔ちゃんをおれの後ろに隠した。
「智くん・・・あの」
と、掴まれた翔ちゃんの手が冷たいのは、既に血の気が引いてるのかもしれない。このままだと倒れてしまう。
息づかいもおかしいから。