最初の訓練は | I LOVE 陸上自衛隊

最初の訓練は

基本教練と言うもので、敬礼の仕方や、体育の時間で習った「右向け右」や「回れ右」などの反復練習を行います。大体、武器(小銃)受領の間はこれがメインです。午後は3時位まで服(部隊によって呼び方は様々で、戦闘服・作業服・OD等)のアイロンのかけ方と、半長靴と呼ばれるブーツの磨き方を教わりますが、半長靴のつま先の部分は「顔が写る位に光られろ」と指導されます。


このやり方にはコツがあり、まずつま先部分に大きく息を吐き、靴墨を少量手ぬぐいに付けて細かく円を描くように薄く塗って、また息を吐いて、靴墨を少量付けて薄く塗り、仕上げる時には「少量のツバ」を付けて光らせます。慣れて来たら10分程度で終わりますが、最初のうちは悪戦苦闘し1時間かかる隊員も珍しくはありません。この半長靴磨きは、夕食・入浴後の自由時間内に行います。これは毎日行うのですが、理由として最初のうちは半長靴は硬い状態なので、足首部分を覆う所を「保革油」と言う物で柔らかくします。


午後3時位にジョギング(自衛隊では持続走)を行いますが、最初のジョギングでクラス分けをして、A組(速い組)~E組(遅い組)と分かれ、それぞれに担当する班長が付きっ切りで指導します。この持続走は陸上自衛隊の最も基本的なトレーニングで、最初はスタミナが無かった隊員も、前期教育が終わる頃にはスタミナが付き、そして走破タイムも最初の時に比べて大きく変わります。


教育隊では「汗の記録」と言う題目で、1日何㌔走ったかを班長に毎日報告します。ちなみに私の知ってる最高記録者は、3ヶ月で約1700㌔走った女性自衛官(WAC=ワックと言います)がいて、その隊員は現在某部隊で、既に三曹になってると聞きました。


基本教練と持続走。これが陸上自衛隊の基本中の基本訓練で、どこの駐屯地でも午後3時くらいから一斉に持続走を始めます。終礼はだいたい4時45分なので、着替える時間等も含めたら約1時間半走るのです。


明日は、自衛隊員の基本装備と言える武器の話をしましょう。