元保護犬のシェリちゃんをお迎えしたことで保護犬/保護猫に興味を持ち始めた私は、「将来余裕ができるか引退したら、発展途上国の動物福祉向上を目指す事業も始めたいな〜」と思ってます
事業化したいと思うのは、命に関わることをする以上、普通のビジネス以上に継続性が求められると思うから。
私が死のうが、他国に行こうが、継続できるようにしたいです。
まだまだ先とはいえ、入念な検討と準備が必要だと思うので、今のうちから日本や他国について情報収集したり、事業計画を考えていきたいと思っています。
で、リサーチしていると、
え、思っていたのと違う
ということが結構あるので、時々ブログに書いていきたいと思いました。
第1回目の今回は、我が母国日本の殺処分とペットショップについてです
野良犬/猫の数などの基本的な数値情報は、マース社が行った最新の調査結果(2024年2月発表)を、その他はニュースや各国の省庁なんかが出している情報やニュースを参照しました。
日本
- 飼主のいない犬猫の割合:12%(犬1%、猫20%)
- 飼主のいない犬の数:52,500匹(27,600匹はシェルター収容、24,900匹がホームレス)
- 飼主のいない猫の数:222万匹(48,000匹がシェルター、218万匹がホームレス)
- 飼い犬/猫の避妊去勢の比率:犬64%、猫82%
![右矢印](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/122.png)
![びっくり](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/031.png)
不妊手術といえば、余談になりますが、私は子供の頃、母や祖父母と共に、今でいう野良猫のTNR活動を地味にしてました。
当時はまだまだペットに対しても不妊手術は全く普及しておらず、ペット用グッズも充実していなかったので、友達の家の女の子のワンちゃん達は、ヒートがくるとお母さん特製のパンツを履いてましたね
そんな中、我が家は母方の祖父が大学は医学部、大学院は哲学科、という珍しい経歴で、明治生まれなのに超リベラル。
誰も殺処分なんて気にしていない頃から「殺処分反対、避妊去勢に賛成」というスタンスでした。(今思うと、祖父の先見の明は尊敬!)
祖父母と同居している時、全く触れない、出産を繰り返してガリガリ、汚くて目つきが悪い「これぞ野良猫」というかんじの三毛猫(「ママミィ」と呼んでいた)が近所にいたのですが、数ヶ月お庭でゴハンをあげても触れるようにならず、最後は祖母が数時間庭に隠れて捕まえ、避妊手術をしたことが
捕獲は祖母が1番上手で、触れない子は全部祖母が捕まえてました。今思うと、祖母も当時70〜80代だったのに、凄いですよね
当時はそんな人は身近に全くいなかったので、日本も本当に変わったと思います
話を戻し、殺処分数について。
- 犬の年間の殺処分数:2,434匹(2022年4月~2023年3月)
- 猫の年間の殺処分数:9,472匹
![右矢印](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/122.png)
![びっくり](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/014.png)
- 保健所に収容される犬は、成犬が80%、子犬が20%程度
- 種類では純血種が30%、雑種が70%程度
- 殺処分は90%が雑種で、純血種は10%程度。雑種でも子犬はほぼ里親が見つかる
- 因みに、日本で飼われている犬は85%が純血種(小型犬が多い)、15%が雑種(中型が多い)
- 猫は純血種は18.5%で、猫は圧倒的に雑種が多い
- 猫の殺処分は子猫が過半数を占めている(成猫は負傷して動けないなどの場合を除き、保健所は基本的に引き取りをしない)
※ペットフード協会などの個別調査結果を参照しました。
保護活動をしている方の話を聞いたり、ブログを読んでいても、もう都心だと譲渡向きの純血種の犬や子猫、雑種でも子犬だと、団体間で「取り合い」になるほど需要に対して供給が少なくなっていて、わざわざ地方の多頭飼育崩壊現場などに出向く必要があるくらいらしいです。
よく批判されるペットショップは、殺処分という意味では、そもそも遺棄される割合が雑種に比べて純血種は圧倒的に低いし、保健所に収容されても奪い合いになるくらいなので、実は大きな問題ではなさそう
殺処分を減らすには、「犬は中型雑種の成犬、猫は(主に地方で繁殖した)雑種子猫」が現在の課題となっているのが分かります。
ペットショップの生態販売は、裏にシェリちゃんのように繁殖犬として搾取される子達がいるので、「動物福祉」という意味では大きな問題があると思っています。
今はネットが普及し、良心的なブリーダーさんを探すのは簡単になっているので、純血種の子犬を迎えたい方は、できるだけ良心的なブリーダーさんを探してお迎えしてほしいです。
ただ、殺処分と結び付けてペットショップを語るのは事実と異なるので、ペットショップを攻撃しても殺処分を減らす効果は薄いと思いますし、小型犬の純血種を子犬から育てたいと思ってる人に「殺処分されるのは可哀想だから、保護犬を」と強要するのも違うと思います。
それで、良く分からず和犬気質の強い中型雑種の子を迎えてしまったら、それこそ飼いきれず飼育放棄に繋がる可能性も
一部ペットショップで買った犬猫をすぐに飽きて捨てる人はいるんでしょうけど、大抵の人はお金を払う前に検討するでしょうし、お金を出してまで飼いたいという情熱や飼う経済力がない人は飼わなくなったのかと思います。
それに、犬はそれまで外飼いが普通だったのが、純血種の小型犬が人気になり、室内で一緒に暮らすのが一般化したことで、「犬は家族」という感覚の人が増えたという気も。
数字の変化を見る限り、別の悪(悪徳繁殖業者)を生み出したとはいえ、経済発展とペットショップの普及は、殺処分数を減らした最大の要因のように思います。
動物愛護に限らずですが、環境保護なんかも、1度何かの考えに取り憑かれると「これは正義、これは悪」みたいな2極論になりがちな気が
それを肝に銘じて、いつか動物対象の事業をする時は、変に自分の考えに固執せず、現実に即して、時には妥協や考えを改めて、効果の高い方法を考えて実行していきたいです。
は、先日訪問した村の警備担当(ラオスは各村に警察官を配備する余裕がないので、任命された人が銃の訓練などを受けて、準警察官のような役割をします)のワンちゃん。
6歳だそうですが、体格がいいし、目視では皮膚炎や脱毛箇所がなく、田舎なのにマダニもついてないし、毛も耳も綺麗
私が時々ディスってるシンガポール人のシェルター(という名の強制収容所)にいるワンちゃん達より、よっぽど綺麗で健康的です
聞いてみたら、毎日飼主さんと一緒に外出し、家に帰ると一緒にシャワーを浴び、一緒に寝てるとのこと
そのせいか、顔立ちはイカツイ系なのに、とても穏やかで、一切吠えもせず良い子でした
ラオスのような発展途上国で、急に先進国でのやり方を実行しようとしても、絶対に上手くいかないと思います。
なので、経済発展が進むまでは、先進国スタイルの飼い方は置いておいて、こういうその国ならではの幸せな犬や猫が多くなり、野良犬/猫や、飼主がいるのにネグレクト状態の子が少しでも減ることを目指したいです。
今現在、思いつきレベルで考えているのは、ラオス版の「生類憐みの令」
悪法として名高い生類憐みの令ですが、近年見直されてきているそうで、私もとても参考になりました
生類憐みの令では「村預け」という制度があり、農村にお金を払って保護した犬を預け、預かり主に飼い方の教育をしたそうです。
村によっては、犬の預かり賃が重要な所得源になったとか。
途上国の貧困家庭は、まだまだ貧しく、お金を稼ぐ手伝いのために子供が十分学校に通えない家庭も多いです。
例えば、そういう子達が、犬や猫をお世話することで自分の学費や生活費を賄い、もっと学校に行けるなど、貧困対策と絡めて事業ができないかと考えています。
また、不妊手術やワクチンの重要性など学んでもらい、いつか自分ペットを飼う時に、正しい選択ができるようになってくれるといいですよね。
日本はもちろん、日本人が主体となって、長い期間をかけて少しずつ変わってきました。
結局、ペットとなる動物にとって、飼主となる人間が1番重要な環境要因ですし、途上国も本来自国民が主体となるべきだと思うので、将来良い飼い主や愛護活動の主体となれる人材を育てることが、1番必要で効果的なのかな、という気が今のところしています。
まだまだ時間があるので、じっくり調査や検討をします
次回は、よく「動物愛護先進国」と呼ばれるドイツや、猫のTNRについて書きたいと思ってます。
日本もですが、ドイツでもまだ野良猫は多く、更にドイツ方式は、優しいどころかシビアさは日本の殺処分以上
それでも野良猫は大規模には減らせてないので、犬より猫のほうが野良を減らすのは圧倒的に難しそう
長々と私の戯言にお付き合いいただき、ありがとうございました