徒然草 第百八十四段
北条時頼さんの母は松下禅尼と言います。彼女の家に時頼さんを招くことがあったのですが、すすけてしまった障子の破れたところを、禅尼さん自ら小刀を持って紙を切り回しながら張り替えていました。
禅尼さんの兄である安達景義さんがその日の世話役として控えていたのですが、それを見て、「障子の張り替えはこちらで承りましょう。そういう仕事が得意な人がいますので。」と申されたところ、禅尼さんは、「その方の張り替えの腕前は、私にか敵わないでしょう。」と答え、更に障子を一枠ずつ張替え続けました。
義景さんが、「一枠ずつ張り替えるより、全部一気に張り替えた方が、遥かに簡単でしょう。新しい紙と古い紙がまだら模様になるのは、見苦しいでしょう。」と重ねて申されたところ。
「私ものちには全部一気に張り替えようと思うのですが、今日だけは、わざとこうしているのですよ。物は破れた箇所だけを繕って使うべきなのだと若い人に見習わせて覚えさせるためです。」とお答えになりました。大変ありがたいお言葉です。
世を治める道は、倹約を旨とすべきです。
女性とはいえ、聖人の心に通じるものがあるものです。天下人をお産みになられただけのことはあります。本当にただ者ではありません。
「私も障子を破ったけど、お父さんの張替えは全部一気だったわよね。」
教訓1
加川良
命はひとつ 人生は一回 だから 命を捨てないようにね
あわてると ついフラフラと お国のためなのと 言われるとね
青くなって しり込みなさい 逃げなさい かくれなさい
御国は俺たち 死んだとて ずっと後まで 残りますよね
失礼しましたで 終わるだけ 命のスペアはありませんよ
今日、車のラジオに流れていた曲です。
「ここで、この歌?」
今日は広島平和記念日です。1945年8月6日午前8時15分に、B-29爆撃機「エノラ・ゲイ」により、原子爆弾「リトルボーイ」が広島に投下されました。一瞬にして14万人の命が奪われたのです。79年前のことです。
岸田首相が平和祈念式典で「核軍縮の機運高めるべく国際社会を主導」と言ったそうですが、「核軍縮」のために「防衛費拡大」の必要があるのでしょうか。
「防衛費拡大」は防衛のためと言いますが、「核軍縮」と「防衛費拡大」の言葉が並ぶのにはすごく違和感を覚えます。
「そうよね。」
戦争を知らない人たちが、ほとんどになった今の日本ですが形骸化してはいけないものはあるようです。
日本の防衛費は7兆9000億円で、武器購入のローン払いに圧迫されているという事です。
「何、その金額? 武器購入ローンて何なの。」
「世を治める道は、倹約を旨とすべき」は昔のことなのでしょうか。
「どうしようも、なくなっているのね。」
- ヒメの一言 -