徒然草 第百六十九段

 

 「何ごとかの『式』(しきたり)、という言葉は、御嵯峨天皇の時代までは耳にすることはなかったのですが、最近になって言うようになったようです。」とある人が申しました。

 

 建礼門院右京太夫が、後鳥羽上皇の即位後に宮中に再就職した事を言うのに「世の式は何も変わっていない。」と書いていました。

 

 

 

 この文章ですが、このままだと少しわかりづらいので、説明を付け加えることにします。

 

 

「それは必要かもね。」

 

 

 「建礼門院右京太夫集」ですが、平家一門の全盛時に16歳から宮仕えしていた右京太夫が、若かりし頃の宮廷の華やかさと、朝的とされ壇ノ浦で滅びていった恋人、平資盛っとの悲しい死別を懐古した歌集です。

 

 この句集ですがもう一つの平家物語と言われ、太平洋戦争中に、愛する者の出征を見送った女性たちの間で愛読されていたと言います。

 

 

「”歌物語”と言うわけね。」

 

 

 この段の「世の式は何も変わっていない。」は「世の式も變りたる事はなきにも」の口語訳となっています。

 

 しかし、「建礼門院右京太夫集」では「御しつらひも世のけしきも変りたる事なきに、ただ我が心のうちばかり砕けまさる悲しき」となっています。

 

 どうも、「建礼門院右京太夫集」では「しき」ではなく「けしき」になっているようです。

 

 「最近はやった言葉『式』は、平安時代末期の頃、すでに建礼門院右京太夫が書いている。」と兼好さんは言いたかったのかもしれませんが、勘違いがあったのかもしれません。

 

 

「上手の手から水が漏れた?」

 

 

 暑い日の散歩は
 
 北部九州の梅雨明け宣言がなかなか出ませんが、これは夏に突入と言っても間違いありません。このような時期の散歩は命がけになるかもしれません。
 
 私は、日が暮れて山国川沿いを歩くのが習慣になっています。そうはいっても暑いのですが、野球中継を聞きながら歩くのも一興です。(昨夜のホークスは4対0で勝ちました。負けてるときは、違い局に帰ることもあります。)
 
 

 
 

 

「川に風が吹くと、少し涼しくなるのよね。」

 - ヒメの一言 -