徒然草 百六十五段
関東の人が上洛して都の人と交際したり、都の人が関東に行って出世したり、自身の宗派の本寺や総本山を離れた顕教や密教の僧侶たちが自身のテリトリー外で外界の人と交際をしているのを見ることがあります。
それを見ると、見ぐるしく感じるのです。
楽し都 恋の都
夢のパラダイスよ 花の東京~♫
古い歌ではありますが、今の都は東京です。しかし、昔は京都だったのですね。
「夢のパラダイスよ 花の京都~♫」
ここで言葉の説明です。”顕教”は、仏教の中で、公然に解かれた教えの事を言います。反対語は”密教”です。
この段を読むと、兼好さんは閉鎖的な人ではないかと考えられます。徒然草を読んでいて感じるのですが、兼好さんは今の世界をどう見るのでしょうか。
「それは異世界よ。」
色々なものが発展していくにつれ、世界が狭くなったような気がします。特にネット上では狭い世界になっています。
知り合いの日本画を描く人がSNSで自分の作品を紹介したところ、購入したいという外国の人がいたと言っていました。すごい事です。
「それはすごいわね。」
話はそれますが、私が小さい頃、中津にはまだ蒸気機関車が走っていました。その頃は世の中はまだ狭く、北九州に行くと言えば、よそ行きの服を着ていったものです。
家族旅行で別府に1泊で言った事もありました。今、別府には高速道路を使えば1時間くらいで行くことができます。朝早く家を出れば、昼過ぎには札幌に着くという時代なのです。
「別府に行った時、車に酔って寝てばっかりだったと聞きました。」
時代の変化で、自分の住む世界が広げられてきました。自分の世界が広がれば、それなりに対応していかねばなりません。
兼好さんも、関東の人が来るようになり時代が変わろうとしたとき、その変化について行こうとしたのでしょうか。
「時代が時代だからね。」
第百四十一段で悲田院の尭蓮上人の話を聞き、関東の人も柔和なところがあることを知ったのですが…。
「新しいものを取り入れる力がいるわね。」
- モモの一言 -
番外編
この前、2階で寝ていたモモに「こちらにおいで。」と言っても、相手にしてもらえませんでした。
ところが、「カマボコやるから来なさい。」というと、ムクリと起きついてきました。モモには”カマボコ”が”好きな食べ物”と理解できたようです。
言葉がわかる、モモでした。(確信しました。)