徒然草 第百六十一段

 

 桜の花が満開になるのは、冬至から150日とも、春分の後、7日ともいうのですが、立春から75日で満開になると思ってほぼ間違いないでしょう。

 

 

 

 

 桜とは程遠いセミの鳴く季節なってきました。第百六十一段では桜の満開について書かれていたので、それにそって話を続けることにします。

 

 2023年の冬至は12月22日、2024年の春分は3月20日、立春は2月4日です。

 

 冬至から150日後は5月、春分から7日後は3月27日、立春から75日後は4月20日となります。

 

 

「昔と今じゃ違うんじゃない?」

 

 

 そこで、最近4年間の京都での桜の満開日は次のようになっています。

 

   2021年  3月26日

   2022年  3月30日

   2023年  3月24日

   2024年  4月  5日

 

 これを見ますと、今年の桜の満開は遅かったものの、春分から7日後がいいようです。

 

 立春から75日後だと、青森辺りが丁度満開みたいです。冬至から150日後は稚内でえどやまざくらが満開になります。

 

 兼好さんの言う事が正しいのならば、地球温暖化により、京都の気温は今の青森くらいだったと考えられます。

 

 

「地球温暖化が原因?」

 

 

 ここまで、書いたところで自分の書いていることのおかしさを発見しました。

 

 

「おかしさって何なのよ。」

 

 

 私たちが言う桜は標本木のソメイヨシノの事を言います。ところが、ソメイヨシノはエドヒガンとオオシマザクラの交配によって誕生した桜なのです。ソメイヨシノが世に出たのは江戸時代後期に東京都駒込の植木屋が売り出したのが始まりと言われています。

 

  では、兼好さんが見た桜とは? 

 

 

「ソメイヨシノって、そんなに新しかったんだ。」

 

 

 オオシマザクラは日本固有種です。オオシマザクラの見ごろは4月下旬~5月中旬と書いていました。

 

 兼好さんが見た桜はオオシマザクラなのかもしれません。

 

 

 

「想像を巡らすって、面白いわね。」

  - ヒメの一言 -