「ものづくし」 徒然草 第七十二段

 

 いやしげなるもの

 

 式部の丞の笏

 黒き髪の筋わろき

 布屏風のあたらしき

  ………

 遣戸逗子

 法師の太りたる

 まことの出雲筵の畳

 

 

 枕草子の「ものづくし」の段です。中でも「いやしげなるもの」の段ですが、清少納言から見て下品に見える物を、これでもかというくらい並べられています。

 

 

「いやしげなものの中に、なぜ本物の出雲筵が入っているの?」 モモ

「本物は目が粗いそうです。 モモ眠たいんじゃない?」 父

 

 

 ちなみに「きよしと見ゆるもの」は土器と新しい金属製のお椀と畳にする薦、最後に水を容器に入れるときに透けて見える光の影と言っています。

 

 

「清少納言さんの綺麗に見える物ってこれ? 4番目はわかるけど。」

 

 

 さてこれからが徒然草 第七十二段です。

 

 

 下品なもの。

 

 座っている場所のまわりに物が多いこと。

 硯に筆をたくさん置いてあること。

 仏壇の中に沢山の仏像が安置している様子。

 庭に草木が沢山繁っていること。

 子だくさん、孫だくさん。

 喋る時、雄弁。

 神仏に祈願の際、己の善行をたくさん書き連ねること。

 

 

 結論として、兼好さんにとって見苦しくない物は、本棚の本とゴミ箱のゴミだと言っています。

 

 ゴミ箱の中にあるゴミはあるべきところにあるので、下品とは思わなかったのでしょう。本は兼好さんにとって本当に価値あるものだったことがわかります。

 

 

「お父さんが好きなのはマンガ本ですね。」

 

 

 兼好さんは「枕草子」を読み込んでいたに違いないと思います。兼好さん、古今の名作を熟読し、文章の書き方を学んでいたのでしょう。

 

 しかし、文学とは奥が深いです。色々なものが絡み合って面白さを出しています。今であれば、パソコンで調べれば、簡単に色々な事を知ることができます。兼好さんの作品の中に、これほどの他の作品との関連性を見出せるのですから、兼好さんの作品が今の世まで残っている理由がわかります。

 

 

「考えてみたらすごいことだよね。」

 

 

 追伸です。

 

 枕草子の「見苦しきもの」を一度読んでみてください。「清少納言さん、そこまで言います?」というほどの文章になっています。今なら大炎上すること間違いないでしょう。「当時の常識だった」では済まされるはずはありません。清少納言さんは文壇から引退することは必至と思えるほどの内容でした。

 

 

 

「教科書には載せられないわね。」

  - ヒメの一言 -

 

 

 

 おまけ 眠たいモモです。

 

 

 

 窓からお日様が射しこみ、気持ちがいいのでしょう。