大根の恩返し(徒然草 第六十八段)
筑紫(福岡県あたり)になんとかの押領使(地方の暴動の鎮圧するための兵隊を率いる人)というものがいました。
この人は大根を万病に効く薬だと言って、毎朝二つずつ焼いて食べることを長年の習慣にしてきました。
「大根を2つ…。 どんな大根を2つ食べるの?」
押領使という役職についていたためかもしれません。あるとき、屋敷に他に誰もいない隙を狙って敵が襲ってきました。
ところが、どこからともなく邸内に2人の兵士が現れて、命も惜しまず戦って敵を皆追い返してしまいました。
「普段ここでは、お見かけしない顔ですが、これほどまで奮闘されるとは、あなたたちはどちらの方ですか。」と押領使が2人に尋ねました。
すると、「あなたが長年にわたって信じて疑わず毎朝、食べていた大根でございます。」と言って消えてしまいました。
深く信じていたので、このような功徳もあったのでしょう。
「そんな話があるのですか。 ちょっと信じられないんだけど。」
兼好さん、最後に「深く信じていたので、このような功徳もあったのでしょう。」などと言っていますが、大根の化身登場なんてことを信じていたのでしょうか。
徒然草も第六十八段にまでなってきたので、ここで一息という事だったのでしょうか。
大根は万病の薬とはいかなくても健胃・整腸・大腸がん予防・咳止めなどの効能があるようです。
「大根て体にいいの? モモ、聞いている?」 ヒメ
「何?」 モモ
「二つづつ焼きて食ひける事」とありますが、「二つ」は2本という意味なのかは疑問なのですが、2本を食べる事は無理なので「二切」なのかとも思いました。
大根は焼いて食べるものなのでしょうか。そう思って、調べてみると焼き大根はありました。「粋な江戸料理です。」と書いていました。
「焼き大根は粋な江戸料理だってよ。」 ヒメ
「そう。」 モモ
モモの「そう」の一言で、第六十八段は終わりです。
散歩のときに撮った椿の写真です。私、椿と山茶花を間違えていたようです。
私は冬に咲くのが椿だとばかり思っていたのですが、今の時期が椿でした。
そういえば、この木の下に花首からぽとりと花全体が落ちていました。これこそがこの花が椿である証でした。
「椿は花全体が落ちるのですか。」
- ヒメとモモの一言 -