徒然草 第六十七段
上賀茂神社の末社である岩本社と橋本社は在原業平と藤原実方を祭神としている。
ここで雑学です。
人が没した後にその人を神として祀る信仰形態が人神です。大きく分けると3つあります。
1.天照大神、大国主命のように祖先を神格化して発生したもの。(祖先崇拝)
2.菅原道真、平将門、崇徳天皇(日本三大怨霊)のように、生前にこの世の恨みを残して没したものが祟りをを引き起こすことを恐れてこれを沈めるためのもの。(御霊信仰)
菅原道真
平将門
崇徳天皇
以上が日本三大怨霊になった方々です。
3.豊臣秀吉、徳川家康のように生前の業績を湛えて死後に神として祀ったものです。(エウヘメリズム)
考えてみたら、御霊信仰などは祀られた神様(この場合怨霊と言った方がいいかもしれません。)がこの世に恨みを残しているのですから怖いものです。
「怨霊が神様なの? 信じられない。」
そんなことを考えずに神社にお参りをしています。
在原業平と藤原実方はどの種の神様になるのでしょうか。
ここから元に戻ります。
「ようやく本題に戻るのね。」
岩本社と橋本社にどちらを祀っているか、間違える人が多いそうです。
実方さんは手を清める水の上に影が映ったと言っているので、水に近い橋本社の方です。
「そんなことまで、よく覚えているわね。」
慈円僧正が「在原業平が『月をめで花を眺めしいにしへのやさしき人はこゝにありはら』と詠んだので、業平は岩本社であろうと承っています。」
そのあとです。「私どもより貴方の方がよほどよくご存じでしょう。」と言われ、「大変恭しく言ったのが大変立派だった。」と兼好さん言っています。
兼好さん最後の一言で大層喜んだと思われます。最後の一言は歌人としての兼好さんの自尊心をくすぐったのでしょう。
「兼好さん、心の中で喜んだのでしょうね。」
この後、西園寺嬉子について書いていますが、そこは略という事で。
3月13日は天王星が発見された日です。発見した人はウィリアム・ハーシェルさんという人です。
このハーシェルさんは宮廷音楽家だったそうです。趣味で天体観測を好み独自の望遠鏡を開発するまでに没頭してたという事です。
「『一芸に秀でる者は多芸に通ず』というからね。」
- ヒメの一言 -