4月20日に退院しました。

 コメント欄でご心配くださった方々に、きちんとお返事する余裕がありませんでしたが、これまでの経緯を簡単に記し、お返事にかえさせていただきます。

 

「憩室出血」という病名

 

 4月11日深夜に、まったく突然、失神しそうな大量の下血がありました。突然で初めてのことでしたので、何かとても悪い病気の末期症状ではないかと思い、翌朝早く救急外来に駆け込むと、その日に即入院となりました。病名は「憩室出血」といい、大腸壁の一部が袋状に外側に突出した箇所(憩室)の血管が切れたことによる出血だと言われました。内視鏡によって、切れた血管をつなぐ処置をしてもらいました。その間、血圧の上が86くらいまで下がり、二回にわたり輸血をして、ようやく失神せず、低いながら正常範囲内の血圧にもどしていきました。決して珍しい病気ではないと言われ、1週間ほどで退院できました。

 けれど、手術の日を含めて三日間の絶食、そしてその後、五分粥⇒全粥⇒と、低脂質、低カロリーの食事が続いたため、体重と体力の低下が甚だしく、なかなかいつも通りの生活にもどれませんでした。が、連休中に、外出したり外食したりする機会もあり、ここ数日の間に、急速に体重も戻り、入院前の生活に戻ってきました。

 

輸血に対する心配

 大量出血による血圧の急速な低下と貧血を解消するため、 2回にわたって輸血を行いました。入院前に、「輸血によりさまざまなトラブルが、ごくごく稀にあるが、しなければならない場合は(輸血)することに同意する」というような内容の同意書を提出していましたので、血圧の「上」が90を切り86くらいまで下がった時、輸血しますと言われ、これを受け入れました。

 でも、移植した腎臓自体が夫のもので、拒絶反応が常に心配されている状況なのに、ここにまた見も知らぬ人の血液を体内に入れることで、複雑な拒絶反応が起こるのではないか、と内心とても不安でした。けれど、なんのトラブルもなく、貧血が改善され血圧も低いながら安定してきたので、輸血は大成功でした。

 あとで主治医に聞いたところ、私の輸血は赤血球のみの輸血で、輸血になにがしかの問題が生じるとしたら、むしろ血小板の輸血のほうだと言われました。これは、移植者には、とても重要なことだと思われたので、ここに記しておきます。

 

入院中の「はにゅうごと」

 入院して三日間ほどは、内視鏡を入れて止血処置を行い絶食期間だったので、最低限の栄養補給の点滴、酸素濃度、血圧、心拍数、心電図などを常時計測する機器を体中につけていたので、あまり自由に動けなかったのですが、それでも病室の隣に自動販売機といくつかの椅子・テーブルが置いてあるだけの談話室に行って、小さなスマホで羽生さんの動画を見ることが、大きな楽しみでした。絶食中も水とお茶だけはいいと言われていたので、ペットボトルの小さなお茶を買って飲みながら、羽生さんの演技動画を見ることが、入院中の励みにもなりました。特に「エストポリス伝記Ⅱ」は、毎日、何回も見ていました。視聴回数の増加に貢献したと思います((笑)。

 ゲームを一回もしたことのない私は、最初羽生さんが「RE_PRAY」でゲームの世界観を取り入れるというようなことを話しているのを聞いてもなんのことか分からず、ゲーム音楽も聴いたことがありませんでした。けれど、「RE_PRAY」などを見て、ゲーム音楽には、素晴らしいものがたくさんあるのだと気づかされました。多分、羽生さんのファンでなかったら、一生、ゲームやゲーム音楽とは無縁だったと思います。

 なかでも「エストポリス伝記Ⅱ」は、「RE_PRAY」に含まれる演技が少しずつ取り入れられ素敵な編集になっているので見ごたえもありますし、何より音楽が、気分を上げてくれます。気力が漲り元気になれる曲ですから、本当にこれだけは毎日何回もみていましたし、他に「さざんか」「アクアの旅路」「Goliath」など、アイスショー関連の動画から、競技者時代のプログラムまで、本当にスマホの小さな世界の中とは言え、羽生さんが、どれだけ入院中の私の喜び、楽しみ、励みになったことでしょう。羽生さんのファンでいて良かったと、しみじみ思いました。

  雑誌『GQ』も何とか買えましたし、「GIFT」の盤も買えましたし、何より、幕張の「FaOI」のチケットも当たっていました。大事をとって幕張にホテルをとってゆっくり見てこようと思っています。

 

羽生さんー都会的な容姿と泥臭い粘り強さ・不屈さ

 「ノッテステラータ」や「RE_PRAY」の舞台裏を見て最も驚いたのは、皆さんがもう書かれていますが、休憩時間も筋トレをして体を緩ませない努力をしているところです。特に、1部の終わりの「破滅への使者」を滑りきった後、おそらく体力は限界を越えた状態にあるだろうときに、からだを休ませず、再びトレーニングをして、放っておいたら休み眠ってしまいそうな体にムチを入れるようにトレーニングを続ける・・・その気力・胆力は、本当に凄いと思いました。その方法も、彼の競技生活時代に、最も体調が良く、ジャンプも軽く跳べたのが2020年の「全日本」の頃で、その頃の練習方法を思い出しながら、自分で創り上げたものだったのですね。練習方法も様々な知識を取り入れ、自分の経験を併せながら、自分で創り上げていく、何事においても、創造力の塊のようなひとだと思います。また、MIKIKO先生も、羽生さんの技術、表現力、解釈のちからなど優れた資質は天性のものだとしながらも、「努力する」ことが本当に凄いとおっしゃっていました。口だけなら、いくらでも格好いいことは言えますが、羽生さんは、口に出したことは、どんなに困難でも必ずやり遂げる、古い言葉で言えば「ド根性」全開の泥臭さもありますよね。

 ちょっと見ると、細身で小顔で足が長く端正な顔立ちをしているので、極めて都会的な青年に見えるのに、内実は、短パンはいて怖い顔してビュンビュン筋トレに没頭しているド根性のアスリート、という感じですよね。

 そのスマートさも、泥臭さも、聡明さも可愛さも、すべて羽生さんの魅力であり、それが偽りのない生き方だからこそ、人生経験を積んだ人々をも納得させ、あらゆる世代のひとびとに愛されるのだと思います。

 

 まだまだ楽しみは続きそうで、こんなにワクワクさせてくれる羽生さんには、ありがとうという感謝の気持ちしかありません。一生、応援していこう!と心に誓いました。


 最後に、コメント欄に励ましや気遣いに満ちた優しいメッセージを残してくださった方々に心からありがとうございました、と言わせてください。とても嬉しかったし、頑張って、またブログに戻ってこようという気持ちにさせていただきました。

 時々しか更新しないブログですが、今後ともよろしくお願いします。