今、仙台のホテルで、今日のショーを思い起こしながら、これを書いている。昨年もノッテを生で見て感じたことだが、このアイスショーは雰囲気が温かい。メンバーは、本郷さん、鈴木明子さんなど東北にゆかりのあるスケーターだけでなく、明らかに、座長である羽生さんが心許せるというか、信頼しているスケーターを選んでいるように見える。クリケット時代からずっと繋がってきたシェイリーン、振り付けとしてデビットウィルソン、そして今年はハビも。あと外国からはジェイソンブラウン、日本人では、田中刑事さん、無良先輩、宮原知子さんなど。ハビ以外は、昨年と全く同じメンバーだ。よほど、このメンバーを信頼しているのだろう。だからこそ羽生さんも、「皆で滑るのはやはり楽しい」と言ったのだろう。
 今年も、フィナーレで、参加者全員がかたまって大きな声で「ありがとうー」と叫んで終わったが、あれは昨年、最後に羽生さんの方から「(もっとくっついて)肩組もう」というようなことを言って、その流れがあって、みんなで声を揃えて「ありがとうー」と言うことになったように記憶している。私は、昨年のその場面が強烈に印象に残っている。私の深読みかも知れないが、羽生さんが仲間を感じたいと思っているように、あくまでも精神的な意味でだが、スキンシップ的なものを求めているように思われたからだ。単独のアイスストーリーで、精神的にも肉体的にもギリギリの状態で見せる羽生さんの姿は、心打つものだが、仲間と共にショーを創りあげていく充実感の中にあって、羽生さんの、慎ましげな甘えやわがままが垣間見られたり、楽しげな羽生さんの姿を見られるのも、私たちファンにとっては、嬉しいことだし、何となくホッとするものだ。
 今日の羽生さんは、いつになく美しく透明に見えた。衣装も白や、色があっても遠目には白っぽく見え、清廉な雰囲気を感じた。そして、私が一番「可愛い」と思ったのは、スクリーン上で踊る場面の羽生さんだった。
 圧巻は、やはり大地真央さんとコラボしたカルミナ.ブラーナだ。羽生さんによれば、無垢な青年が運命の女神と出会い、様々な運命の荒波に直面し、抗いながら、やがて運命を受け入れつつ対峙していくというストーリーを意図しているという。
このような、青年の運命に影響を与え、ある意味で人間の運命を支配するような神的な圧倒的な存在感を醸し出せるのは、やはり大地真央さん以外考えられない。大地真央さんを選んだから、カルミナブラーナにしたのか、最初から、カルミナブラーナを演じようという気持ちが強くあり、その女神役にふさわしい表現者は誰かと考えた結果、大地真央さんこそふさわしいとして依頼したのか、どちらだろうと思うほど、女神の大地真央さんは荘厳で美しく強さを感じさせる存在だった。
 ダニーボーイは、聞いたことがある名曲だったが、その歌詞を知らなかったので、歌詞を良く見てからまた折りがあれば感想を書きたい。純白のスーツを思わせる衣装がとても素敵で良く似合っていた。
 出演者の皆さん一人一人に感じることはたくさんあったが、もう午前3時を過ぎてしまったので、今日はこの辺で。

追記
 大地真央さんの、とてもユニークで面白いCMがあるの知っています?交通違反の若者に止まるよう命じる女性警官を演じているのですが、「お前の母さん泣いてるでー」と、真面目な顔で演歌調で歌うのですが、それはそれは面白くて、大地真央さんが芸達者でユーモラスな方だと思い知らされるのです。アコムのCMだったような気がするのですが。