とてもまとまった感想は書けないので、思ったことを書き留めておく。

 まず終わった後一番に思ったのは、羽生さんへの感謝だ。スピンを極限まで見せるプログラム、試合さながらのジャンプ構成で滑り切ったプログラムなど、質の高いプログラムをいくつも見せてくれて、その後、怒涛のアンコールでは、私たち観客と繋がろうという思いが伝わってきたし、私たちを目一杯楽しませてやろうという心意気も感じた。衣装もありきたりではなく、どれも素晴らしかった。
どれだけ練習を重ね、体力を強化し、創意工夫して、最高のものを、と情熱を注ぎ込んできたのだろうと思うと、感謝しかない。第一印象て、ともかく痩せたなぁと思ったくらいだ。頬がこけて顎が尖っていたのに驚いた。

 最後に羽生さんが舞台裏へ去って行く時、皆口々にありがとうとさけんでいた。なかには、行かないでと叫ぶ声も聞こえたが、私も、羽生さんの疲労が極限に達していると知りつつ、もっと羽生さんの滑りを見ていたいと思った。本当にありがとう、羽生さん!


 その他、断片的におもったことを少し。
 前半では、ゲームでは、たとえば、進むか?の問いにYESかNOのボタンを押して進む。その意味で、人生もまた、岐路に立ってどちらへ行くか選択することの連続である、ということ。

 後半では、海の底=真っ暗闇が、実は自由だという逆説。前も後ろも左右も分からない、どちらへ進めばいいのか分からないということは、怖い。怖いけれど、自分が全てを決めるという自由を手にしたことでもある、ということ。


 命が生まれるということ、命があるということは素晴らしいこと。


 いや、これは何回か巻き戻しながら、じっくり見ないと、羽生さんが紡いだストーリーの全貌など分からないだろう。羽生さんは、何かちょっとでも刺さってくれたらいいと、おっしゃるが、刺さりすぎて、どこに刺さっているのか分からない状態だ。

 ツアーはまだまだ続くので、私たちの感じ方や受け取り方も、ツアーを重ねて見て行くことで深まるのかもしれない。


 羽生さん、ともかくお疲れさまでした。そしてありがとうございました。