■New Haven近郊にて

New Haven(ニューヘイブン)はYale大学のある街。ラボには徒歩で行けるが、車がないと何かと不便なので、どこの車を購入しようかなと考えていたが、日本に帰国するラボの前任者(M氏)から有無を言わさず赤のGrand Trinoという大きな車(下の写真)を押し付けられた。

M氏いわくバッテリーは新しくしてある。

 

 

生活に少し慣れ始めた1週間後のある日の午後のこと。近郊のスーパーマーケットに家族で出かけた。ミルクのガロンボトルなどあらゆるものの最小単位が桁の違う食料品(そのせいか冷蔵庫がバカでかい)を買い込んで、夕方になってきたし、帰ろう。皆乗って、エンジン始動。

 

かからへん!! 

 

バッテリーかな、それはないやろ、新品やし。念のために液面を確認、減った感じには見えなかった。仕方なく公衆電話からAAAに電話。

 

オペレータの女性に「ライセンスナンバー?」と訊かれたので、運転免許証の番号を伝えた。

オペレーター:「そんな長い番号はおかしい。どこにいますか?」 

私:「マーケットの名前を伝えて駐車場にいます。」

オペレーター:「どこの車で、何色?」 

話が半分しか分からなかったので、赤色、とだけ答えた。

「分かった、そこで待ってなさい」---ほどなく、大きなレッカー車が到着。

おっちゃんが有無を言わさずボンネットを開け、バッテリーやな、と言ってブーストした。

エンジンかかった。おかしいなー。

おっちゃん曰く、

「その向こうGarageがあるからそこでバッテリーに水を入れてもらえ。エンジンは絶対に切るな」。

ガラージでお兄ちゃんに「Battery water」と言って水を入れてもらった。だけどその水、水道水とちがうのかな(容器がおかしい)。と思ったけど時すでに遅し。

エンジンを止めず、空ぶかしも十分にして、家路につくべく道路に出た。

薄暗くなってきたので、ライトのスイッチを入れた。プツン、車は止まってしまった。

途方に暮れていたら、パトカーが来てポリさんが「どうした?」 訳を説明。 

「お前はハンドル(Sterring wheel)を右にきって車を道の横に寄せろ」と、ポリさん二人は車を押してくれました。家族全員乗せたままで。だけど、パワステのハンドルの重い事。

ポリさんは親切にAAAに電話してくれました。アメリカのポリさん(City Police)は親切やな―。

 

AAAが来ました。

見たら、さっきのおっちゃんでした。

ブースターしてくれた後、ヨメハンに「絶対にエンジンを切ってはいけない」と説明していきました。ヨメハン「何か、こんこんとゆうていったで」 ヨメハンの方がもっと英語分からへんのに。

 

なお、後日のこと、液面を視認できなかったのは、バッテリー液が完全にゼロだったからと分かった。

ちなみに、License Numberとは車のナンバープレート(写真下)にある番号のこと。右下に貼り付けあるシールには「NOV 1977」とある。これは次の車検が切れる年月。車検は、その車が周りに迷惑にならずに走行できて税金が支払われていればOKとのこと。車両点検不備で困るのは持ち主、と言う発想。巻き添えを食らう第三者が皆無に近いので。これはCulture Shock!!