「ブラス!」
監督:マーク・ハーマン
出演:ピート・ポスルスウェイト、タラ・フィッツジェラルド
■作品情報
舞台は1990年代のイギリス、炭鉱の町。
炭鉱が閉鎖に追い込まれる中、炭鉱夫たちのブラスバンドが選手権に出場し優勝を目指す。
実在のブラスバンドがモデルになっていて、サントラの演奏も担当している。
■感想
ネタバレあり
低評価
●ストーリー感想
ハートウォーミングな話かと勘違いしてたら、世知辛い内容でした。
序盤からバンドメンバーの嫌な面が描かれていて。
ダニー以外、音楽への思い入れが強いようにも見えず。
見ていて肩入れする熱量がないので、ラストの優勝もあまり響きませんでした。
●登場人物感想
メイン側に好感持てない人がちらほらいました。
・グロリアを軽んじてセクハラする人、止めもしない人
・家族を軽んじて向き合わない人
など。
ちょいちょい嫌な行動が挟まれて寒々しかったです。
仲間思いの一面もあるから、極悪人でないんですが。
荒み具合が帳消しになるほどではないです。
加害者も被害者もそれが“普通”になっちゃってる空気感だったので、制作側も普通だと思って描いたのか。
でも、このマイナス要素が映画を楽しめない敗因でした。
●二重構造
作品内の構造について
・人間が大事にされていないエピソード
・人間のほうが大事というスピーチ
・炭鉱夫として雇い主から軽んじられる
・個人としてグロリアや家族を軽んじる
など、二重というか対比というかな構図があって。
主要人物が被害者と加害者の両面を持っている、その構造は興味深かったです。
●原題
原題は「Brassed off」で「うんざり」「怒った」という意味だそうです。
ブラスバンドと映画内の重苦しいムードがかかってて、いいタイトルだなと。
邦題でもそのまま使えばよかったのに。
人が大事にされない話で、見ていてげんなりしたので、そういう意味でもピッタリでした。
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「トロール・ハンター」
監督:アンドレ・オブレダル
出演:オットー・イェスペルセン、グレン・エルランド・トスタード、ヨハンナ・モールク
ノルウェーのドキュメンタリー風UMAムービー。
■あらすじ
ノルウェーの山や森で「クマによる」被害が発生、と報じられる。
犯人クマじゃないっしょ、と疑う大学生たちがビデオカメラ片手に森に突撃。
そこで遭遇した謎のハンターの後を追うと……。
タイトルにもあるし予告にも出てるようにトロールの映画です。
ツッコミどころ満載だけど、最後まで見れてしまう。
トロールってなんかメルヘンチックな生き物だっけ、というぼんやりしたイメージでしたが、映画内では怪物寄りでした。
以下、ネタバレ感想↓
■映像感想
「素人が撮影した映像」って設定なので手ブレがひどくて見づらいとこ多し。
臨場感あふれる雰囲気にしたかったのか。
トロールをじっくり映すとチープな感じになるので避けたかったのかw
さすがにもう少しちゃんとトロールを見たかったなあ、という印象。
石になったトロールだけようやく見れたけど。
なんかあれよ、赤ちゃんじっとしてないからピント合った写真が寝顔しかない的なw
映画として状況を伝えるために、おびえてる大学生も映るんですが。
トロール発見したら、もっとトロールのほう撮るよね、っていう。
人間の反応差し込むにしても、ちょっと多すぎで不自然だわなw
後半はわりとトロールも映っててよかったです。
夜明け前の映像の色味が美しくて好きでした。
■ストーリー感想
未知の生物を探すドキドキ感は楽しめました。
何も知らない大学生目線で話が進んで、専門家のハンターに色々教えてもらうって構図なのでわかりやすかったです。
最後が不穏でしたが、「手記はここで終わっている」的な様式美なんでしょうね。
ハッピーエンドってタイプのジャンルでもないし。
しかし、終盤にだまされて参加したカメラ担当の女性は気の毒すぎでした。
命の危険があるんだから説明したげてよぉ。
覚悟のある人連れてったらいいじゃん。
おまけに帰れなくなってるし……。
とはいえ、大学生男子も狂犬病はしんどすぎる……。
自ら飛び込んだ危険とはいえ。
全体としては、もうちょっとツッコミどころが少なくて、ひとクセあるキャラがいたらもっと面白かったかも。
■ツッコミどころ
無粋かもしれないけど気になったところを何点か。
・カメラワークがさすがに不自然
・トロールの存在が確定なら、もっとチームで対策・研究するのでは?
進撃の巨人みたいに
・立ち入り禁止ももっと厳重にしそう
・大学生たちも危機感なさすぎ
・仲間が襲われた後もあっさりしすぎ
・何も知らない人を仲間にするのひどすぎ
■その他感想
同じドキュメンタリー風手法の作品を見た人は「あー、あれね」ってなるらしいです。
私は未視聴なので、二番煎じかどうかは気にせず見られました。
クレジット最後の「トロールを虐待してません」の注意書きは好きw
設定が穴だらけだけど、最後まで見られる引きはある映画でした。
友達とピザとか食べながら騒いで見たらもっと楽しかったかも。
「アリス・イン・ワンダーランド」
監督:ティム・バートン
出演:ミア・ワシコウスカ、ジョニー・デップ
言わずと知れた「不思議の国のアリス」の映画です。2010年公開。
映像美!
何はなくとも映像美! が最大の見どころでした。
背景と衣装のデザインが特によかったです。
ややダーク寄りなので、もう少しメルヘンチックなほうが好みではありました。
以下ネタバレありの感想です![]()
■ストーリー感想
アリスなのに話の筋がわかりやすい!
※ただし、わくわくはしない。
とっつきやすくするためにエンタメ要素入れた、って印象です。
その分どっちつかずな結果に。
芸術に振り切りました、だってアリスだぜ?版を見てみたかったですねー。
せっかく映像が芸術的なので。
■キャラクター感想
・アリス
共感できるけど好感は持てないキャラでした。
えーどうしよどうしよ、ってもだもだしてるので共感はできました。
そら急に不思議の国に放り込まれたらそうなるよねー。
勇気を出す過程はよくわからんかったです。
かなり後半までずっと煮え切らないので、好感は持てなかったです。
あそこまでもたつくなら子供の設定でよかったのでは。
子供ならいたしかたなし! って思えただろうから。
・マッドハッター
マッドハッターがヒーロー風味になってる!?
なんかあれですね、原作ありのドラマで恋愛要素増やすためにオリジナル登場人物作っちゃった的な。
そのわりに心が通うエピソードが少なく不完全燃焼でした。
いい味のキャラだったので、もの足りない。
エンタメに寄せてたら、マッドハッターがヒーローの冒険活劇ものになってたかもしれないので惜しい。
それか芸術に寄せてたら、なんか妖しい魅力がたまらん! なキャラになってたかも?
何はともあれ美味しいポジションだったので、ジョニデ好きな人は見たほうがいいです。
いいからとりあえず見とけ。
・その他のゆかいな仲間たち
他のキャラもアリスの世界にしては話が通じる!
ただ、仲間感はないですねー。そこにないならないですねー。
・白の女王
いい人なんだけど……って言われそうなタイプ。
優しげなわりに愛情は感じられず。
あれなら奇妙なほうに振り切ってよかったのでは。
奇妙だけどなんか憎めなくて魅力的、が理想。
まあ理想ですからねー。実現は難しいですよねー。
・赤の女王
見たことあると思ったら「英国王のスピーチ」にも出ていた役者さんでした。
・ハートのジャック
「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のお父さんの人!? 本当に!?
もっと若い俳優さんとばかり……。
この映画で一番の驚きポイントでした。
■感想まとめ
・映像がとにかく美しい! これだけでも一見の価値あり
・不思議の国のアリスなのに話がわかる! 話が通じる!
・でも仲間感はない!
・エンタメと芸術どっちつかず! 惜しい! 芸術に振り切ったの見たかった
・ジョニデ好きはとりあえず見とけ
映像美が素晴らしいので視覚的にはずっと楽しめて見応えありました。
「吸血鬼ドラキュラ」
監督:テレンス・フィッシャー
出演:ピーター・カッシング、クリストファー・リー、マイケル・ガフ
1958年制作の古典ホラー。
吸血鬼ものの元祖と言える作品だそうです。
■ざっくりしすぎたあらすじ
吸血鬼に狙われた女性を助けるため、二人の男性が奮闘するお話です。
■ネタバレなしの感想
連続ドラマのダイジェストのようなストーリー展開で、急に話が進む印象でした。前置きください。
ドラキュラは登場した瞬間、すごく良く見る顔~! ってなりました。
「この顔にピンときたら吸血鬼」ってレベル。
やっと元ネタ(本物)を見られたような満足感がありました。
■ネタバレ感想
オープニングで棺の名前にカメラが寄っていって、それがタイトルになる構成がよいです。
●登場人物
吸血鬼を倒しに行くコンビのうち、アーサーが気の回らない人でやきもきしました。
危機的状況を作るためのキャラ設定なんでしょうけど。
序盤からお医者さんに「あなたが来ると不幸になる」って言いがかりつけてて、
いるよね、すぐ他人のせいにする人~! って思いました。
まさかそんなダメそうな人が吸血鬼バトルの相棒になるとは。
不安しかない。
と思ったら案の定でした。
いや、後半わりと協力的でしたが。
あれならいっそ「ウッカリさん☆」なキャラでいけばよかったのに。
お医者さんは冷静で知識も度胸もあるので、この人いてよかったねって感じでした。
シナリオ上、行動に抜けはありましたが。
●吸血鬼対策
不備ありまくりで、つっこみながら見ました。
なぜ情報共有しない。
妻に心配かけたくないのはわかる。わかるが備えさせてあげてよ。そのほうが生存率上がるじゃんね。
そして、いわんこっちゃねー展開へ。
ドラマ盛り上げるためなんでしょうけどウッカリにもほどがある。
大昔の映画なので、女性を作戦会議に参加させないのが当たり前だったんでしょうか。
危険にさらさないよう守ろうとするのは素敵なんですけどさ。
かえって危ないことになってるから、かっこよく思えんのです。
男性だけで乗り込んだ先でも、弱点わかってるわりに対策立ててないから単に間抜けなのか?
ていうか、
最初から十字架とニンニク持って日の出てる時に乗り込めばよかったのでは?
なんなら弱点判明した時点で倒せてたのでは?
って思っちゃいますが、それを言うのは野暮ってもんでしょうね。
●その後(やや横道)
ひとつ気になったのが、結果的にあの召使いの人が2度も危険のきっかけを作ってるんですよね。
自分があの人だったら、その後の人生で何度も思い出してはウワーッてなるわ。
●古典ホラー鑑賞マナー
前にも思いましたが、この手の映画の楽しみ方がわかってないんだと思います。
細かいこたいーんだよ精神で雰囲気を味わえばいいのかな。
いっそコメディとして見たらよかったのか……。
●役者さん
ヘルシング博士、前にも見たと思ったらピーター・カッシングさんでした。
「妖女ゴーゴン」の人ですね。
ドラキュラ役の俳優さんとよく共演してたそうですね。
あれこれブーブー言いましたが、吸血鬼ものと言ったらこれ! でおなじみな作品を見ることができたので、経験値が上がった気がします。
「恋のロンドン狂想曲」
監督:ウディ・アレン
出演:アンソニー・ホプキンス、、ジェマ・ジョーンズ、ナオミ・ワッツ
別れた夫婦とその娘夫婦、それぞれが織りなす恋愛模様。
連続ドラマが後半で打ち切りになったようなストーリーでした。
続きは視聴者の想像にゆだねる方式なのでしょうが。
話の展開は面白かったです。
登場人物の魅力はいまひとつ。
ネタバレ感想
(評価低め)
■タイトル
タイトルは邦題も原題もいいです。
邦題からは小粋な映画を期待しました。
原題は「You Will Meet a Tall Dark Stranger」だそうです。
検索したら「いい出会いがある」っていう占いの決まり文句と出てきました。
話の内容と照らし合わせると皮肉が効いてます。
■ストーリー
考えなしの言動する人だらけなので、どうなるのかな~と思いながら見ました。
ストーリー展開に引きがあるところはよかったです。
後半で当然のように失敗してたのが意外でした。
フィクションなので予想外の何かがあるかとばかり。素直~。
向かいの家の女性にあっさり好かれたところだけご都合主義でした。
家の中を見てくる怪しい男性を警戒しなくて違和感ありすぎます。
再婚相手ならともかく。あの人はわかりやすかったです。
最後は、ここで終わり? ってとこで切れていました。
あの感じだと、その後もありきたりな末路なんでしょうか。
父親と元婿は破綻しそうだし、娘も苦労しそうですね。
あおりを受ける赤ちゃんが気の毒すぎます。
一番頭ゆるふわだったお母さんが、まあまあのハッピーエンドなのは面白いです。
怪しい助言でも、考え方ひとつで前向きになれるならよかったのかも……?
それにしてもあそこまで心酔させる占い師の手腕がおそろしいです。
■登場人物
主要人物が全員、他人を大事にしない人ばかりでした。
既婚者なのに軽く浮気しようとしたり。
容姿しか見てなかったり。
ネガティブなことばかり言ったり。
他人から利益を奪うことしか考えてないような人たちなので好感が持てないです。
共感して応援したくなるような愚かさでもなく。
幸い身近にいないタイプなので、考えなしの人ってこんな感じなのかな~って思いながらながめてました。
フィクションですし、実際は全然違うかもですが。リアルな人はあそこまでやらかしてないことを祈ります。
■全体感想
そこら辺にいそうなちょっと嫌な人が、そりゃそうなるよね~って結果になっていく話でした。
意外性がないので「狂想曲」っていうほどのドタバタ感もなく。
コメディらしいですが、笑えるところもなく。
テンポが軽いところは見やすかったかも。
でも、正直言うと2倍速で見ました。すみません。
結果、何がしたい映画なのかわかりませんでした。
作り手と感覚が合わないんでしょうね。
全て描かずに終わる手法も、そこがいいって人もいそうですし。
見終わって誠実さと計画性って大事だな、と思わされたので、そこはよかったです。