甲府から研磨機、切断機、ファセター他、天然石をファセットするツール、強敵と戦う為の盾と矛を手に入れた。

しかしだ。

その盾と矛を扱う私のスキルは未熟過ぎて大物を仕留める事は出来ない。

最初から熊や猪を仕留めようと思わない。

逆にこっちが仕留められてしまう。

ではウサギや野ネズミなどの小動物を狙うか?

確率的収穫より弥生人がそうしたように種があれば種を撒く選択をするだろう。

内面は臆病で冒険するのが怖いのだ。

それを私は都合良く解釈し臆病とはネガティブではなく慎重、気長、優しさなどとポジティブに変換し強がっている。

先ずはじっくり基本から身につける。

コツコツと処世術の経験値を重ねよう。

そうだ。頑張った時間は無駄にならない。

 

ダイヤモンドのファセットカットの大道、ブリリアントカット。

58面体のブリリアントカット

58回カットして磨けばいいように思えるが実はそうではない。

石を輝かせるにはそれなりの順序が必要だ。

泥だらけの髪にトリートメントしてどーする?

先ずはシャンプーだ。

 

粗い研磨盤から精密な研磨盤

そして仕上げまで最低でも3〜5回繰り返し寸分狂わず58箇所の同じ面を磨く。

石に応じた研磨盤を使って繰り返し磨く。

研磨盤を3枚で174面、4枚で232面、5枚で290面繰り返し磨く事になる。

角度を1度でも間違えるだけでやり直し。

なんと気が長く神経質な作業か。。。。。

最初はイジーから始めステップアップだな

私は失敗や後悔を恐れカット面の少ないファセットをチョイスした。

8カットやシングルカットと呼ばれるファセットカットで17面のファセットだ。

これだって仕上がれば綺麗だろうが何をモチベーションが上がらない。

 

クラッシックなレシピから

画像ボケボケだけどフレンチスターって見て取れる。今で言うとこのフレンチカットだね。

これはクラウン側(上半身)9面、パビリオン(下半身)12面、ガードル(側面)4面の合計25面、簡素にしたら17面でいける。

同じ17面のシングルカットより色気があるではないか。

ブリリアントの58面からしたらかなり難易度が下がる。

ファセットカットのレシピを見ながらもうひとつ惹かれるカットがあった。

Brabant Rose と言う  ローズカットだ。

底面入れて33面でフレンチカットより面数が多いがこれはブリリアントカットが考案されるより以前にダイヤモンドを美しく魅せる為に1520年に考案された歴史背景のあるカット。

ファセットカットの古典とも言える。

パビリオン(下部尖がり側)がなくクラウン(上部側)だけで完結なカットが潔く私に刺さったカットだ。

私はダイヤモンドを使った高価でハイクオリティなジュエリー制作を目指している訳ではない。

カジュアルな天然石の簡易アクセサリーを作りたかったので私的には後々の枠留めを考えるとパビリオンがない方が石枠の種類を選べるというメリットもあった。

 

ローズカット 

これが私の石磨きの原点となる

 

次回に続く