「礼に始まり礼に終わる」

そこそこヤンチャだった中学生時代、大人から剣道を勧められ始めるも顧問の先生にいつも口煩く言われた言葉だ。

 

単にチャンバラをしたかったから始めた剣道。

うっせージジイが何言ってんだ!と世間や大人に反抗する誰もが経験する青い時代。

歳を重ねようやく礼義、礼節、他人を敬う気持ちを理解出来るようになってきた…かな

 

色々例えられる。

日本の太公望は「鮒に始まり鮒に…」

今の私的には「水晶に始まり水晶に」かな

うん。水晶!

今まで色々な石を加工してきたが、やはり行き着くとこは水晶だなと思ったりする。

 

実は私、1番最初に自分の手で真剣に加工した天然石は水晶なのである。

私に限らず水晶の人は多いと思う。

 

ここから過去の話を語らせてもらおう

 

まだ石屋になる前、営業会社の地獄の研修とやらが流行っていた時代。

富士山の近くの小さな山に無理矢理登らされた。

そこで得たのは負けない精神や研修での洗脳でもなく脇道に転がっていた小さく汚い水晶だった。

少年時代に拾った水晶を思い出すぜ

(ブログの何処に記事がある🙄)

拾った水晶はポケットに入れ持ち帰る。

研修の最終日に感動して涙流す人も沢山いるが私は感動もせず泣かない現実主義者。

クソ研修早く終われと雑念を全身に纏い左脳全開である。

 

休みの日に持ち帰った水晶を模型で使った残りの耐水ペーパーをひたすらゴシゴシしていたのだが一向に艶の出る兆しもない水晶にかなりムキになった。

単なる負けず嫌いなのだよ。

ホームセンターで研磨ペーパーを何種類も買い足し磨く順序を工夫し何となくだがテカッた水晶にかなりの達成感と自己満足を覚えた。

そりゃあ今思えばその水晶はボツにもならないダメ🙅‍♂️クオリティ。

だがしかし、それがパンドラの箱への入り口だったのは確かである。

 

20年位前になるだろうか何を考えてか私は石屋を生業にしようと考えていた。

知り合い、友人からは絶対に無理だからやめろ、今の仕事がもったいないなどと引き止められた。

引き止められるほどムキになる

あの時の小汚い水晶磨きと同じだな

頑張ってやってりゃ少しはテカるだろうと

そして一念発起

 

現在のブログや他SNSでは私はカボションばかりやってるけど実はね、入り口はファセットカットなんだよ。

 

その頃、宝石研磨の学校に通おうと思って先ずは山梨県の甲府に情報収集に行ったのさ。

山梨の宝石研磨関係者皆さんにかなり親切にしていただき色々教えてもらったんだけど引越しやその他諸々を考えるとかなり無理があってね。

学校は断念したんだけど、ならば独学だな!と宝石研磨機材を製造している某有名メーカーに飛び込み訪問したんだよ。

そんなアポなしで迷惑な奴にも関わらず年配の方が丁寧に対応してくれた。

名刺を頂いて驚いた!

なんと社長が対応してくださっている😳

社長は笑顔で たまたま居合わせたので と言う。

ひとしきり私の主張を聞き終わると宝石研磨に必要な最低限の知識と機材の案内をしてくださった。

高価なのでよく検討してそれでもやってみたいと思ったらまた相談して下さいと。

ご縁、タイミング、運、機が熟した感…

そして 気のせい

私の気持ちは決まっていた。

研磨機2台にファセターに切断機に…一式etc

値段? そりゃあ   高けーよ!

当時はなかなかの車が買える位だよ!😱

でもさ   ここが私の桶狭間だよ!😤

 

社長から宝石カットの資料も直に頂いた

某メーカーを後にする際、社長に言われた

「頑張った時間は無駄になりませんよ」

 

自宅に着き資料を元にいきなりブリリアントカットしてやろうかと思ったりしなかった。

毎回イケイケ桶狭間ではないぞ

基本私は結構 石橋を叩く派なのだよ😝

先ずは色々な書籍を買い込み石の特性から勉強した

何故ブリリアントカットが考案されたのかから掘り起こしたり。

ブリリアントカットはダイヤモンドを美しく魅せるため17世紀末にヴェネツィアの宝石研磨職人により考案された58面体のファセットカット…

ふむふむ🤔

などとこの頃はなかなか勉強したかもしれん。

 

ファセットカットは基本的にクラウン、ガードル、パビリオンの三分割で構成されている

素人がいきなりブリリアントカットなんてやってもつまずくだけだとこの時は結構冷静だったかな。

海外から取り寄せた資料もあったのだけど

この通り何面やるんだよ!とツッコミところ満載

 

素人なんだし最初はカット面の少ないファセットカットからじっくりやろうと決めたのだった

 

 

次回に続く