渋滞が嫌だからいつも裏道を走る

 
ここ最近、夜になるとこの道に小さい影が横切る
 
子猫か子狸かな
 
昨晩は路肩の雑草に隠れたのが見えた
 
街灯もない暗闇の裏道
 
ヘッドライトでは正面しか照らせない
 
車を止め、確認したら小さな影が私の足元から全速力で走り去った
 
大きなネズミなのか子狐か子狸か子猫かイタチかハクビシンかアライグマか暗すぎて分からん
 
用事を済ませまた裏道で工房へ戻る
 
途中、小動物の影はなし
 
今朝、気になりまた裏道に行く
 
カラスが3匹、草むらを囲み騒いでる
 
怪しい…
 
胸騒ぎがする
 
カラスを追い払い
 
草むらの中を見てみた
いた!   ちびニャンコだ!
 
刺激しない様 そっと手を伸ばすと…
めっちゃ威嚇しながら全速力で逃げた
 
スマホで写真撮ってる場合じゃなかった…
 
カラスに怖い目にあったのだろう
 
国道近くの深い藪林の中に一目散に走り去った
 
ヤバイ   国道はヤバイ   そっちヤベーよ
 
近くには用水路もあるしキツネもカラスもいる
 
野良子猫なのか捨て子猫なのか親からはぐれたのかわからないが、このままだとカラスや肉食動物や車にやられてしまう
 
翡翠商と約束していたがキャンセル
 
石の研磨もしてる場合じゃねー
 
工房へ戻り、作務衣を脱ぎ捨てジーンと革ジャン、革手袋、長靴で武装する
 
虫とか大嫌いだけど藪林の中に入るしかねー
 
藪林は野薔薇の棘や蜘蛛の巣、葉の裏にいる変な虫、何やら動物のような鳴き声…
 
てか、カメムシすげーいるじゃん!
 
なんだよこの大群は!
 
怖えーよ! 熊や猪より虫が怖えーんだよ
 
道もない藪林に入り何度も転び顔に野薔薇の棘は刺さるは背中にカメムシが入りゴソゴソしてるは生きた心地しない
 
のたうち回り15分くらいかなカラスが騒いでる地点に急行した
 
ちびニャンが威嚇しながら恐れて木の幹にうずくまっていた
 
一刻を争う
ワンチャンスだな
逃げられたら私の精神はカメムシに支配され壊れる
もう優しく手を伸ばすなどしてらんねー
 
何年ぶりだろうこんなに走ってジャンプするのは
 
ぐわっしっ! と 捕まえた
心臓はバクバク、汗がダラダラ、肺はパンクしそうだぜ
 
ちびニャンを掴み、冷静になった藪林の帰り道
虫嫌いな私の叫び声がこだまする
 
なんとか保護して工房に戻り、ちびニャンの身体確認
取り敢えず、怪我ない!
カラスに攻撃される前だったらしい
 
たぶん生後1カ月から1ヶ月半かな
 
お腹はぺったんこでガリガリ
 
母猫と一緒だったらお腹はパンパンになってるだろうけど育児放棄か捨て子猫かな
 
こんな小さいのに1匹だけでどれだけ恐怖だっただろうか、よく頑張った
 
そして無事で良かった!
 
でも、手足、お腹、尻尾にアスファルトのような油とそこに蜘蛛の巣が毛玉のように絡みベットベト
 
匂いもかなりキツイ
 
保護したばかりだけど風呂だな
お湯と子猫用シャンプーではまったく取れない
こりゃあ ひでー油だな 取れないよ(*´Д`*)
 
かわいい威嚇してきます
この石油のようなべっとり油どうしたらいいんだ

ちょうど暖房出したとこで良かった
 
コバ工房のウェルカムフードを振舞ってあげよう
 
乾く間もなく飛びつく
腹ペコだよな
 
たっぷり食うべし!
 
そうだな〜
取り敢えず 名前
 
油まみれだから 「タール」にしておこう
明日は動物病院に行く!