二十年くらい前、横浜の雑貨屋で無造作に置かれていた親指の先ほどの大きさのラピスラズリのルースを衝動買いした

別に天然石に興味あるわけでもコレクションしているわけでもない

何も買わずに店を出るのが気まずい雰囲気だったので手頃な値段の石を手にしただけ

実はこれが生まれ初めてお金を出して買った天然石だった

素直に青くて綺麗だなと眺めたり触ったりしたが、毎日触れるにつれ艶が無くなり汚く感じる様になった

知識が無いもんだから耐水ペーパーで擦れば艶が戻ると思って耐水ペーパーで擦ったら更に酷くなり放置してしまった

そのうちラピスラズリの存在も忘れ、やがて何処に行ったのかも分からなくなり紛失

つい最近、天然石ミネラルショーでラピスラズリのルースを手に持ち、そんな事を思い出していた

何となく記憶を巻き戻したくなり手に持ったルースを買った
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二十年前の自分なら綺麗だな〜と思うんだろうけど、天然石加工を生業としている現在は石を見る目がシビアになってしまったのかな
見ただけでどの様な研磨工程なのか想像出来る
見るほどにボコボコしている表面と艶が気に入らない

ラピスラズリは石質が粉っぽく、超ツルピカになり難い事を今は知っている

初めて買った天然石を放置紛失してしまったお詫びかな
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現在の私の研磨法では耐水ペーパーは使わないけどあえて使った
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耐水ペーパーで擦る度、何かデジャヴと言うかパラレルと言うか不思議な感覚

二十年前は艶を出そうと耐水ペーパーで擦った

思えば私の研磨道の始まりはそこからだった
ラピスラズリがターニングポイントだったのかな

今は艶を落とす為に耐水ペーパーを擦ってる

過去を思い出し、何だかんだ楽しくなってる自分がいる
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二十年前の禊とするか