糸魚川も春になり、人間を含めた生き物が活発化しています。
個人の庭先にあるヒスイや水石を手放す人や買い取る人、見えないところで糸魚川の鉱石たちは取引され、流通されていきます。
10日ほど前、巨大な岩石を見せてもらった。
今日揚げたばかりだよ。 と持ち主は言う。
外殻が年季を感じさせる苔のある部分や、茶褐色に風化し綺麗な趣とは言えない岩石だったが、ただならぬ存在感があった。
まるで競りに出る本マグロの尾を切断し品質を確認するが如く、売買する際の目利きをするために、擦ったであろう艶めかしい傷跡があり、その傷跡から良質なピンク色が確認できた。
巨大な桃簾石だった。
ここ数日間、糸魚川のヒスイ商やヒスイ関係で噂になり注目されている桃簾石がある。
それこそまさに、あの時の桃簾石だ。
巨大な岩石はスライスされ、断面には驚くばかりの鮮やかなピンク色が敷きつめられている。
この大きさでこの発色は50年、いや100年に一度出るか出ないかだろうか。
集まっている関係者も、小さくて濃いピンクは出るだろうけど、もうこんな大きさの桃簾石は出ないだろうね とつぶやく。
色の濃さはもちろんのこと私が目を惹いたのは、その模様の美しさ。
その桃簾石の一部の断面から花が散るかのような模様が浮かび上がっている。
これは激熱だな。
これがその桃簾石
すでに名のあるコレクター様が数人も一部購入したと聞き、この一期一会に心躍り、購入を決心し、この画像のブロックごと持ち帰った。
画像は小さく見えるが、手乗りサイズではございません。かなり巨大なブロックで20Kgあります。
この大きさ
職人様達も購入すると思いますので、しばらくすれば製品化して市場に流れると思います。
私の購入した部位は悩んだ結果、加工用の全体がピンクではなくこのまま眺めて味わいのある、花入りなので加工するのは悩んでしまいます。
( 実は何か作ってみたい誘惑に負け、下部を少しカットしてしまった (* ̄Oノ ̄*) )
それにしても濃い色です。桜舞い散る桃簾石。 花鳥風月