糸魚川の海岸で散策していると姫川薬石と翡翠の鑑定を頼まれる事がよくあります
最近ではメールに画像添付で頼まれる事が多いです
今日も3件ほど姫川薬石の見極めを頼まれました
まず、皆様にお分かりいただきたいのは、姫川薬石と言うのは俗名であり正式には流紋岩に分類されます
新潟県糸魚川市における太古からの火山爆発、天変地異などの風土で変成された流紋岩を地元では「虎石」「薬石」と呼んでいます
地元では姫川薬石とフルネームでは呼びません
姫川沿いに古くから住まれている年配者は「虎石」と呼ぶ方が多いです
流紋岩と言う石は日本でも広範囲に分布しています
だからといって流紋岩はすべて姫川薬石と呼ぶはずもありません
手に取りよく見るとデイサイトという種類の石と石英斑岩が不純物に侵食された固体です
SiO2(二酸化ケイ素)がちょっとだけ少ない部類に入る石ですが現在では流紋岩に分類されることが一般的です
二酸化マンガンや酸化鉄の侵食で しのぶ石 になっている固体もあります
地元の年配者にこれを見せると 「なんだそれ?」と言い姫川薬石とは言いません
市の学芸員に見せると流紋岩だと言います
学芸員は石の成分など科学的見解で見るので流紋岩に模様が付いているだけで薬石といいます
それもおかしな話なのですがねぇ
では古くから民芸品の材料になったり、私たち地元民が姫川薬石と言う石は?
↑これです。
この模様と素朴さが伝統の姫川薬石なのです。
最上段の画像の固体を姫川薬石と定義してしまうと日本各地の流紋岩が姫川薬石になってしまいます
これは私の個人的見解ですので、他の方が他県で採取した流紋岩を姫川薬石と名付けても私はどうすることも出来ませんし、また関知するところではございません。