Wikipedia によりば、三五八漬け(さごはちづけ)は福島県、山形県、秋田県の郷土料理で、麹で漬けた漬物で、塩、米麹、米をそれぞれ容量で3:5:8の割合で使う漬床は、塩、米麹、米(飯のかたさに炊いたもち米)を混ぜ、差し水をして、1週間ほど蓋をして熟成させたものだといいます。
もちろん、みかん亭あたりのスーパーマーケットでは、三五八漬けの素として、水を加えて混ぜればできちゃう漬床の素が売っていて、これまではそれを使ってきたんですけど、
ちょっと作ってみたい
そんな欲求にとりつかれちゃったのでした
以前、どこで見たのかは忘れちゃいました(❁ᴗ͈ˬᴗ͈))))けど、
塩を加えるタイミングは、米と米麹が発酵して甘みが出てきたとき
なんて記事を見たことがあって、アタマに残っていました。
米(粥)と米麹では甘酒(甘麹)ができる。
米麹と塩と水では塩麹になる(水がなくても塩麹になるかは未確認)。
大豆と米麹と塩では味噌ができる。
みかん亭がこれまで米麹を使って発酵させてきたものですが、米と米麹だけでも(特に水を加えなくても、ごはんの水分でなんとかなります)発酵させることができるわけで、とすれば、米と米麹が発酵して甘みが出てきたら塩を加えるなんていう作り方も簡単に実現可能なわけで。
でもそれは、甘酒(甘麹)に塩を加えるということで……
どちらかといえば、
三五八の漬床は、の味噌に近いもの
のような気もしますが
ま、とりあえずやってみちゃいましょうか
あくまでも冒険しちゃったものですので、たぶん正しい三五八の漬床の作り方ではありません。
2022年12月4日に改訂レシピを公開しています。
あくまでも冒険しちゃったものですので、たぶん正しい三五八の漬床の作り方ではありません。重要なことなので二回目です
■材料(420ml) 白米*1 150g(1合) A. 乾燥米麹*2 55g(85ml) A. 水*3 20ml 塩*4 70g
白米*1はふつうに炊く*5。
ボウルに乾燥米麹*2を入れ、水*3を回しかけてよく混ぜ、表面にラップをして30分常温におく。50~60℃のお湯がよいとされていますが、20℃くらいの水で問題はありません。冷水は避けてください。
ごはん(
)は混ぜて60℃未満まで全体を冷まし、米麹(
)を加えて混ぜる。塩*4はまだ入れません。
(耐熱)ガラス容器(700mlほどの容器*6が必要です)に移し(
)、ヨーグルトメーカーにセットしたら60℃で6時間保温します。塩*4はまだ入れません。
4~5時間ほど経過*7したら一度底から大きく混ぜます。
6時間経過したら塩*4を加えてよく混ぜる。ホーローまたはガラス容器*8に移し、粗熱が取れたら蓋をして、冷蔵庫で寝かせます。塩の尖った感じがなくなればできあがり。
きゅうりを一本漬けしてみたのがこちら↓。
きゅうりの両端を落とし、大さじ2(40gほど)の三五八床を塗って、ラップでしっかり巻いて……
冷蔵庫で10時間漬けてみました。
さて、いかがでしょうか。
*1 Panasonicのホームページの記事『お米の種類と特徴を知って、自分好みの銘柄米を見つけよう!』のリストで魚沼産コシヒカリの次に甘い『新之助』を選びました。しょっぱさのなかに甘さを求めようと考えた結果です。
*2 みかん亭御用達の『あめこうじ』。AIGエムの700g入りのコスパが高かったのですが、この記事を書いている今、アマゾンでは再入荷の予定がありませんので、楽天のをペタリ。
*3 これまでの実験で、乾燥米麹の重量に対し20%の水を加えて混ぜておけば生米麹相当の水分含有量となることがわかっています。米を8とした場合の生米麹の量は5。米1合 180mlに対して必要な生米麹は112.5mlとなります。AIGエムのあめこうじの場合は1合で116g(他の乾燥米麹でも大差はありません)なので、112.5mlならば72.5g。作りやすくするために数値を丸めると、75g。これは乾燥米麹 55gと水 20g(20ml)を混ぜて30分ほどおけばよいことになります。実際に、115mlほどになりました。
*4 三五八漬けの床は、米と米麹による甘麹と、塩と米麹による塩麹を合わせたものと考えてよいのだとすれば、塩麹に適した塩を……塩麹にしたときに黄色や灰色ではなく白くなる塩をこそ選びたいと思って選んだのが、『北谷の塩』。
製造方法がポイントになります。
『北谷の塩』を選んだ根拠はこちら↓。
*5 三五八の床に使う米はふつうに炊いたごはん(姫飯)ではなく、蒸米(強飯)のようですが、作りやすさを優先します。というか、ぶっちゃけ、蒸米で一度失敗しています
原因は明らかにみかん亭によるもので、蒸米だから失敗したわけではありません
*6 ビタントニオのヨーグルトメーカー……
を使っていますが、ガラス容器はこちら↓がおすすめです。蓋代わりに15cmのラップを使うと、匂い移りなどを気にせず使えます。
*7 このくらいで甘さがでてきますので、ここで塩を投入してもよいのかも知れませんが、今後の課題とします。
*8 できあがった床の保存容器としては、野田琺瑯のレクタングル深型S(500ml)がシンデレラフィットですが……
漬け容器としては富士ホーローの深型角容器 コンテ S(750ml)をおすすめします。
*8 床の表面に綿100%の晒またはガーゼ、または料理用と明言されている不織布ガーゼをあてています。
たぶん、正しくはこう作るものだと思います。
でもね、きゅうり、おいしかったんです
photo by miiinaamiii さん via photoAC