みかんが育った――みかん星生まれのみかんが育った関東からも中部からもハブられた某県は
煮貝
が有名だと言われます。
保存食として始まったとも言われていますが、実際に、みかんが知る限り――比較的友人が少ないみかんが知る限り、それが食卓に並ぶことはなく
煮貝はおみやげとして有名
として認知されているように思います
他に名産、特産とされている
桃やぶどうや柿は買う必要はないもの
ですが、煮貝は、少なくとも中枚を叩かなかればお持ち帰りすることはできません
ま、おみやげ屋さん――スーパーマーケットの一角のおみやげ屋さんでさえ、それを見ることができるので、確かに
別に珍しいものでもなく
日頃目にしているものでもあるんですけど
で。
あわびを手に入れたみかん亭では、それっぽく煮てみることにしました。
ちっちゃくてもあわびはあわびだよねっ
なんかひっかかるところもありますが、亭みかんの喜びように――みかんとうりふたつ亭みかんのかわいいの喜びように、聞かなかったことにしておきましょうか
■材料 あわび 小2個*1 A. こんぶだし汁*2 200ml A. しょうゆ 大さじ1.5 A. 清酒 大さじ1.5 A. 本みりん 大さじ1.5
あわびは一個につき塩ひとつまみ*3を振って、タワシで洗ってスプーンで殻から外す。殻を使う場合には、塩分濃度3%の熱湯(熱湯 400mlに対して塩 小さじ2)で10分煮て殺菌消毒する。
材料を小鍋に入れて中火にかけ、沸騰したら弱火にし、アクを取りながら8~10分煮て――
火からおろし、粗熱が取れたら冷蔵庫でひと晩おけばできあがり。
あわびを柔らかくいただくには、10分以内でサッと煮るか、長時間かけてじっくり煮るか――タコと同じように扱う必要があります。また、じっくり煮る場合には清酒の量も重要となるようですので、ペタリと
*1 みかん亭のみかん亭によるみかん亭のための理由。本分量の煮汁で14cmの小鍋なら小5個くらいまで。
*2 水 210mlに表面をサッと拭いた真昆布2gを30分以上浸け、弱めの火にかけ、ふつふつとし始めたら昆布を取り出します。
*3 大きさに応じてふたつまみくらいまで増やします。
韓国料理のジョンボクチム――蒸しあわびのしょうゆ煮
にしたかったようですが、材料が揃わずに、今回は見送ることになりました。
いとも簡単に今回は見送っちゃいましたけど、次回があるかどうかは
みかんの働き次第
亭みかんは気づいているのでしょうか。あるいは、みかんは全幅の信頼を寄せられているのでしょうか。
2011 笹本祐一/朝日新聞出版・モーレツ宇宙海賊製作委員会
伊勢乃白水郎之 朝魚夕菜尓 潜云 鰒貝之 獨念荷指天(伊勢の海人 朝な夕なに 潜つぐ 鮑の片想いにして)――磯の鮑の片思いなんて言葉の原形とされる作者不明の歌ですが、
二枚の貝をもって生まれる鮑も、その一枚は生後何日かでその一枚を捨てる
と、その歌の解釈で教わったように思いますが、今になって思えば、
鮑って巻き貝の一種
のはず
ま、
陸のみかんの片想い
――あ、もちろん次に出逢うはずの鮑に、ですけど
とは違う感覚なんでしょうか
それもまた
2011 笹本祐一/朝日新聞出版・モーレツ宇宙海賊製作委員会
みなさまとは、また明日、お逢いできることを喜ぶみかんでした。
写真だと、大きさってわかりづらいのね
そうね。比較対象がなければわからないかも。50cmのお鍋で煮ました――って言っちゃ書いちゃおうか